ライフイズテック株式会社(Life is Tech, Inc.)

プログラミング教材で世界中の中高生の可能性を広げる

ライフイズテック株式会社は、中高校生向けのIT教育プログラム「Life is Tech !(ライフイズテック)」を日本国内で展開するとともに、ディズニーと提携して開発したプログラミング教材「テクノロジア魔法学校/Codeillusion(コードイリュージョン)」の北米での展開をスタートさせた。同社の海外事業展開やジェトロ支援の貢献について、代表取締役CEOの水野雄介氏と、執行役員グローバル事業部事業部長兼Life is Tech USA, Inc. CEOの宮川聡氏に伺いました。
※本記事はインタビュー時点(2020年)の内容をもとに構成されております。

展開国:
米国
事業概要:
オンラインプログラミング教育サービスの開発・運営、中高生向けIT・プログラミング教育キャンプ/スクール/イベントの企画・運営

水野 雄介 代表取締役CEO(右)
宮川 聡 Life is Tech USA, CEO(左)

海外進出は、創業時から考えていたのですか?

水野: 構想としては、2010年の創業時から海外進出を考えていました。起業するからにはソニーのような日本を代表する企業になりたい、と。海外にも出ていけるような商品を作り、勝負したいという気持ちはもっていました。もちろん、最初からできるわけではなく、まずは日本国内での事業からスタートしました。

ディズニーと提携してプログラミング学習教材「テクノロジア魔法学校」を作った経緯を教えてください。

水野: 私たちは、「MOZER(マザー)」というプログラミング学習教材を開発し、日本内外で高い評価をもらっていました。世界中のスタートアップ企業の革新的な教育サービスを審査するEdTechXEurope 2016のグロース部門で最優秀賞を受賞しましたし、アメリカでは5万人以上にベータ版を利用してもらい博物館や中学校などでも採用されました。そうして品質や実力の高さが評価された結果、日本のディズニーと提携して、2020年からの小学校プログラミング必修化を見すえた教材である「テクノロジア魔法学校」を作ることになりました。こちらは2018年4月に日本でローンチし、想定の5倍以上も売れる大ヒットになりました。

©︎Disney

どのような流れで「テクノロジア魔法学校」の北米展開を進められたのでしょうか?

宮川: ローンチの時点では、まずは国内で展開しようと考えていましたが、その後の大ヒットを受け、ディズニーのグローバル会議で取り上げてもらい、アメリカでも協業して展開することになりました。私たちも海外進出の体制が整い、2019年8月にアメリカで現地法人を設立し、北米版Codeillusionをローンチしました。現在は、いかに北米のマーケットに届けていくかといった段階です。現在はオンラインでダイレクトに販売してますが、ゆくゆくは代理店やホールセールなどに取り扱っていただく機会も十分ありうると思っています。

日本と北米以外での展開も考えていますか?

宮川: 現在は会社の状態がとてもよく、課題はリソースだけですので、優先順位を決めながら進めていきたいです。ディズニーの期待も高く、グローバル会議ではドイツや中国から「いつうちに来るんだ」という声もあがっていたと聞いています。世界各地に展開するにあたって、「効率的に質のよいものを届ける」体制は国ごとに条件が違うはずなので、きちんと見極めなくてはいけません。ジェトロのサポートをいただきながら、オールジャパンで進める道を切り開いていきたいというのが、私どもの思いです。

北米展開については、数年前からジェトロのサポートを受けられているそうですね。

宮川: はい、2016年の11月くらいからやりとりをしています。最初にお会いしたのがサンフランシスコのジェトロでした。アメリカでの事業展開に向けての調査としてシリコンバレーに出張し、そのときにジェトロのオフィスに足を運ばせていただきました。その後、経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラムであるJ-Startupに私どもが選定され、CESやSXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)といったイベントへの出展などがあり、ここ2年はかなり密接な関係を築かせていただいています。

具体的にはCES、SXSWなどのイベントをどのように活用されたのでしょうか?

宮川: CESには2年連続で出展しました。多くの海外メディアとコンタクトができ、実際に海外メディアに掲載されたことで、自社のブランディングやプロモーション、信頼獲得に繋がりました。会期中には、ディズニーの方もブースに足を運んでくれましたね。SXSWでは、多くの来場者にプロダクトを見てもらうことでフィードバック獲得の場として活用、さらに米国現地の教育関連協会の存在を知ることができ、現在は同協会に加盟し、業界関係者とのネットワーク構築を進めています。いずれの展示会でも、経済的支援(出展料補助)があったお陰で出展のハードルが比較的低く、海外展開の足がかりとなりました。

CESへの出展については、ジェトロを活用しながら情報収集をされたそうですね。

宮川: 過去に出展経験がある方から、その際のお話を伺うミートアップの場をジェトロに設けていただきました。初めての出展では、どういう聞き手がいて、何を期待しているのかといった肌感覚がわからないんですね。やはり、そういったことについては、経験者に聞くのが一番早いんです。逆に今年は、私が今後出展したい方向けに話をしました。経験はみんなでつないでいきたいです。先に出た人が共有し、オールジャパンで海外に進出していこうと強く思っています。

ジェトロの海外事務所をよく利用されたそうですが、どのように役に立ちましたか?

宮川: いろいろな相談をジェトロのニューヨーク・サンフランシスコ・ロサンゼルス事務所にさせていただいきました。細かい部分だと、バックオフィスの法務や、会計士の紹介などでしょうか。惜しみなく情報を出していただけるところが、一番ありがたかったです。そもそも、商慣習とか、アメリカってこうですよとか、サンフランシスコは違いますよ、ニューヨークはこうですよとか、こちらも肌感覚ですね。ジェトロは、現地にいる方しかわからない情報やコネクションをお持ちですよね。私どもが事業を行っている教育分野では、学校の仕組みや、親の感覚、物価の違いなども重要です。ジェトロからは、現地のローカル情報や、ディストリビューター候補などもご紹介いただきました。非常にありがたく思っています。

今後の事業展開について教えてください。

宮川: 私としては、北米でいかにうまく事業を展開できるかについて注力しています。アメリカで成功すれば、他国での信頼度も上がります。

水野: MOZERを学校に導入したいという話を世界各国からいただいていますので、そちらにも力を入れていきたいですね。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • ジェトロ・グローバルアクセラレーションハブ
    海外のスタートアップ・エコシステムを活用したビジネス拡大を目指す日本のスタートアップに対し、ブリーフィングやメンタリング、マッチング等のサービスを無料で提供します。
  • ジャパンパビリオン出展
    海外の有力なスタートアップ関連イベントにジャパンパビリオンを設け、出展料補助や付随するイベント等を通じ、日本のスタートアップのグローバル展開を後押しします。

ライフイズテック株式会社

東京都港区南麻布2-12-3 南麻布ビル1F
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代表者:水野 雄介
設立年:2010年7月
事業概要:オンラインプログラミング教育サービスの開発・運営、中高生向けIT・プログラミング教育キャンプ/スクール/イベントの企画・運営

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