株式会社小嶋総本店

無限大の可能性を秘めた海外市場、熱意を持って代理店と協力することこそ成功の鍵

日本酒「東光Ⓡ」及びリキュールの製造・販売を行う。2012年頃から本格的に海外展開を開始し、現在は米国、中国、香港等18ヵ国・地域に輸出を行っている。

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展開国・地域:
・2014年 中国
・2015年 香港
・2019年 米国
事業内容:
日本酒及びリキュールの製造・販売

代表取締役社長 小嶋 健市郎 氏

新たな可能性を求めて海外展開への舵切りを

弊社が初めて輸出に取り組んだのは、2000年頃、国内商社を通しての台湾への輸出でした。日本酒の国内市場は少子高齢化で縮小傾向にある中、世界ではワイン市場の大きさに比べて日本酒の知名度はまだ低く、今後展開する余地が充分にあると考えました。そして、2012年頃から本格的に輸出への取り組みを開始し、2013年にはジェトロ主催の商談会に参加して複数国のバイヤーとの商談がまとまりました。 商談会で顔を合わせる同業他社との情報交換に加え、ジェトロの各種セミナーや貿易実務講座等を通じて、「輸出とはどんなものなのか」を徐々に理解していきました。初めて輸出した際には1年以上かけて周到な準備をしましたが、展開国を増やすにつれて次第に必要書類などの要領を掴めるようになっていきました。現在では、欧州、北米、アジア、中東の18ヵ国・地域に展開するに至りました。

「東光純米大吟醸原酒」

「東光純米大吟醸袋吊り」

伸び悩むベトナム展開、専門家の人脈を一つの契機に

経済的に成長している東南アジア諸国、特にベトナムは国民の平均年齢が非常に若く、また親日国であることから、その市場に高いポテンシャルを感じていました。しかしながら、輸出開始当初から同国での売上は今一つ伸び悩み、打開策を模索していました。ちょうどその頃、ジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」を紹介され、申し込むことを決めました。ジェトロの専門家は、弊社のベトナムでのパートナーを担う代理店に以前在籍していた方で、その人脈と知見を得られるというのは非常に大きなチャンスでした。 専門家が同行してのベトナム出張では、同代理店の冷蔵庫を実際に視察したり、卸し先のレストランへ同行営業をしたり、また同担当者への弊社製品に関するレクチャーをしたりしました。現地代理店は普段我々の代わりに様々な営業活動をしてくれています。その担当者に直接熱意を伝えられたことは貴重な機会でした。

ベトナム語で作成した「東光Ⓡ」の紹介資料

現地代理店とともに商品提案を行う様子

無限大の可能性に向けて代理店との協力こそ成功の鍵

海外展開では、「現地のどの代理店と組むか」が最も重要なことだと考えています。そして、その代理店に、弊社や弊社が取り扱う日本酒について正しく理解してもらうことも非常に重要です。弊社は創業が安土桃山時代であり、400年以上続く老舗の酒蔵です。その歴史の深さや雪国の洗練された味わい、「東光Ⓡ」というブランドイメージなどについてきちんと伝達し、代理店の活動に役立ててもらえるようにすることは、翻って弊社にとっても大きなメリットになります。 海外という市場は無限大の可能性を秘めています。将来的には、弊社の売上全体に占める輸出売上を30%にすることを目標にしています。代理店任せにするのではなく、明確なKPIを設定しながらも、きちんと手を取り合って協力してことが成功の鍵だと実感しています。

専門家からのポイント

小嶋総本店は、支援開始当初ベトナムへの初回輸出を終えた段階でしたが、初回だけで取引が止まってしまうケースが多くありました。継続的な取引を行う為には、現地のパートナーとコミュニケーションをしっかりと取り、両社が積極的にマーケティングを行える環境を整えることが大切です。海外出張への同行では、現地パートナーと共にレストランへの同行営業を行い、複数件のレストランオーナーとの試飲や商品提案を積極的に行ったことが成果につながったと考えます。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 新輸出大国コンソーシアム
    日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

株式会社小嶋総本店

山形県米沢市
https://www.sake-toko.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表者:小嶋 健市郎
設立年:1597年
従業員:26名
事業内容:日本酒及びリキュールの製造・販売

2020年9月

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