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おぼろタオル株式會社

使う人の不便を解消したい。ニッチ市場に向き合った製品で海外販路開拓に挑戦。

1908年創業の老舗タオルメーカー。タオル生地のよこ糸だけに図案を印刷する染色技法「おぼろ染め」を開発。創業以来の技術革新志向と自社一貫生産体制から生まれた新製品を携え、台湾での販路開拓に挑戦する。

三重県津市 ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

展開国・地域:
・2019年 台湾
事業内容:
タオルの製造・販売

常務取締役 森田 壮 氏

原点回帰、オリジナル製品の開発から海外を意識

弊社の始まりは、1908年に日本画家であった創始者が地元に産業を興そうと、社名の由来ともなる「おぼろ染」の特許技術で一貫生産によるタオル製造会社を作ったことによります。無地のタオルは味気ないと、乾いている時はおぼろげな柄が水に濡れると鮮明に浮かび上がるタオルを作り、日本の風呂文化の中で親しまれてきました。大正末期には、白粉を塗るときと落とすときで、医療用ガーゼとタオルを使い分けていた芸者さんたちの不便を解消するために化粧専用のガーゼタオルを開発するなど、ニッチなニーズへの対応も弊社の特徴でした。しかしながら、戦後、商社や問屋を通じた商いに業態が移行する中、OEM生産中心の製造と営業の分業体制が確立されていきました。
5年ほど前に、「創業時の精神に立ち返り、お客様の声に応えるオリジナルの製品を開発したい」と、国内展示会に出展して直接営業を再開しました。展示会では国内バイヤーのみならず海外バイヤーの訪問も受け、海外に自社製品を直接伝えたいという想いが芽生えました。

日本初のおぼろ染技術のタオル

おぼろげな柄が水に濡らすと鮮明に浮かび上がる

美容分野に特化して新開発したタオルが台湾に刺さる

国内展示会では、複数の海外バイヤーから弊社製品に強い関心が寄せられたものの、言語や取引条件が大きな壁となり商談は進みませんでした。このとき実際に取引につながったのは国内に出先を持つ台湾のバイヤー1社だけです。その後、さらに取引を拡大し、販路を広げるためには、自ら海外に打って出なければという気持ちがどんどん高まっていきました。
ちょうどその時、ジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」に応募し、採択されました。ジェトロの専門家は、「台湾の販路を深化させたい、ゆくゆくは欧米市場にも取り組みたい」という弊社の想いを受けて、綿密で現実的な戦略を一緒に考えてくれました。私にとって初の海外渡航となった台湾出張では、専門家に同行いただき、大変心強かったです。現地では、既存の販売代理店や新規で発掘した通販会社を訪問しました。美容分野に特化して開発した洗髪後・洗顔後向けの専用タオルを提案したところ、大変気に入っていただき、成約に至るとともにリピートオーダーにもつながっています。

洗顔後のスキンケアのために開発された顔専用「専顔タオルⓇ」

洗髪後のヘアケアのために開発された髪専用「専髪タオルⓇ」

国内外の熱烈なファンに支えられるブランドを目指す

専門家と様々な店舗を視察した市場調査は、とても貴重な体験になりました。訪問したタオル売り場には日本各地のタオルが溢れていましたが、焦る気持ちよりも、日本製タオルがこんなに受け入れられているのかと嬉しくなりました。弊社もニッチな製品開発という創業以来の強みを活かすことで、差別化して戦っていけると確信しました。全員に受け入れられなくても、特定の熱烈なファンに世代を超えて長く使い続けてもらえるブランドになりたいと思っています。 また、数としてはまだ少ないものの、リピートオーダーが入ると海外でも愛用されていることを実感します。自分たちが自信を持って送り出した製品が認められているという誇りが、ものづくりへの良いフィードバックになっています。 中小企業が生き残るためには挑戦することが必要です。「失敗を恐れずにやって来い」と背中を押してくれた社長にも感謝しています。今後も引き続き台湾でのビジネスを強化するとともに、次は米国への販路開拓に取り組みたいと思います。

台湾の百貨店に並ぶ新製品

専門家からのポイント

おぼろタオルのある三重県津市は、愛媛今治や大阪泉州とともに「日本三大タオル生産地」の一角を担い、柔らかな肌触りが世界一の高品質なタオルと評されています。台湾への輸出では、専顔・専髪タオルという新製品を、従来の百貨店に加え、新規の販路としてローカル通販サイトへ投入することで、若年層という新顧客を獲得できました。同社の成功要因としては、緻密な事業計画策定と綿密な現地市場調査が挙げられます。そのため、専門家としてこまめな情報交換を心掛けています。今後は、台湾での販売モデルをベースに、欧米市場への参入を支援して参ります。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 新輸出大国コンソーシアム
    日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

おぼろタオル株式會社

三重県津市
https://oboro-towel.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表者:代表取締役社長 加藤 勘次
設立年:1918年8月(創業:1908年9月)
従業員:62名
事業内容:タオルの製造・販売

2020年9月

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