ニシガキ工業株式会社

三木金物の伝統技術を受け継ぐ差別化商品で、園芸の本場の欧州へ!

過去、国内商社経由の間接貿易は行ってきたが、直接貿易での海外輸出事業は初の試み。プロ農家(果樹園)向けの戦略製品も商品化でき、欧米市場への積極販売を推進中

兵庫県三木市 ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

展開国・地域:
2019年 フランス、スペイン
事業内容:
園芸用刃物・作業用具(剪定鋏・バリカン・高枝切狭・太枝切狭・それらの電動工具など)の開発、製造、販売

取締役営業部長 臼井 裕幸 氏

世界初の高枝切鋏(園芸刃物)を商品化

弊社では1980年代、世界に先駆けて高枝鋏を考案・商品化し、テレビショッピングで紹介されたこともあり、爆発的に普及しました。同時に国内商社を通じて海外へも輸出してきました。しかし90年代に入り中国製品が市場に広まり、ホームセンターなどでは安価な製品が中心となり、刃物の良さを売りにした日本製の高品質な商品は売り場のスペースを狭められているのが実情です。また2000年代に入ってから、国内市場も飽和・縮小傾向が顕著になり、再度成長市場を求め直接貿易での輸出に取り組む必要性が高まってきました。海外市場へ直接輸出することにより、弊社の得意なプロ向けの高品質製品への現地ニーズをより明確に把握でき、次の商品開発にもつながると考えています。

充電式太枝切鋏

太枝切狭刃先部(拡大)

東南アジアでの試行錯誤から、欧州での成功へ

2017年から東南アジア市場を狙い、可能性調査のため、商社の現地法人へサンプルを配布しニーズを探ってみましたが、あまり有益な情報を得ることができず試行錯誤が続きました。また、市場要求価格でも限界を感じたため、思い切って方針変更してターゲットを欧米先進国としました。2018年半ばから具体的に欧州市場開拓に向け取り組みを開始。このタイミングで現地法規制などの確認のため、ジェトロに相談したところ、コンシェルジュから「新輸出大国コンソーシアム」のハンズオン支援の提案を受けて早速応募しました。無事支援企業に採択された後、専門家のサポートを受けながら現地パートナー候補企業のリストアップ、メール・電話によるコンタクト、アポ取得、現地訪問・交渉・受注、と当初の目標であるフランスとスペインでの成約を達成しました。強力な新商品に恵まれたこともあり、とんとん拍子での関門突破となりました。

フランスのユーザー・販売店とともに

スペインの販売店とともに

広い視野での情報分析力、引き出しの多さがKEY

海外販路開拓においてパートナー探しが困難な要因の一つは、リアルな現地情報がほとんどないことです。手順としては、第一段階で、主としてウェブサイトから手掛かりを探すことになりますが、バーチャルな情報であり現実感が伴わず、自社に適した企業なのかどうかの判断に迷います。第二段階では、パートナーに適していると思われる企業にコンタクトを図り、先方の関心を引きつつ適否を判断しなければなりません。最終的には現地に赴き、候補企業との交渉となりますが、すべての局面において情報の分析力、判断力、そして局面を打開する実行力が要求されます。これら全ての過程において、ジェトロの専門家の経験に裏打ちされた多面的な分析力、対策案の引き出しの多さに大変助けられました。ジェトロのサポートがなければ、成功をつかめなかったか、仮にできたとしても長期間かかってしまったのではないかと思い感謝しています。

専門家からのポイント

2018年10月から支援が始まり、2019年1月の初出張で高額の初受注に成功されました。長年企業の海外展開を支援してきましたが、成功するかしないかのポイントは、「本気度」+「商品力」(需要があるかを含む)だと思います。ニシガキ工業はその両方を十分にお持ちでした。販促用プレゼン資料の作成時には、他社との違い・強みを分かりやすくかつ強力にアピールするよう助言しました。また、相手先との交渉に向けての事前準備(価格・取引条件、希望と落とし所など)にも余念がなく、適切に対応されたと思います。

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 新輸出大国コンソーシアム
    日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。

ニシガキ工業株式会社

兵庫県三木市
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設立年:1983年1月
従業員:40名
事業内容:園芸用刃物・作業用具(剪定鋏・バリカン・高枝切狭・太枝切狭・それらの電動工具など)の開発、製造、販売

2019年9月

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