閉じる

アステージ株式会社

海外展開の際はまずジェトロに聞くことです

DIY・木材関連品・園芸用品・レジャー・文具・家庭用品・収納用品などのプラスチック成型品の企画販売を行う。2015年から米国向けに輸出開始。2018年に米国・ニューヨークに現地法人を設立

新潟県燕市ウェブサイト

展開国・地域：: 2018年米国
事業内容：: DIY・木材関連品・園芸用品・レジャー・文具・家庭用品・収納用品などのプラスチック成型品の企画販売

専務取締役須田賢一郎氏

代理店契約終了を契機として現地法人設立へ

弊社製品の販売先はこれまで日本国内のホームセンター、量販店が主流でしたが、店舗数、売り上げが頭打ちとなり、2010年ごろから海外向け輸出をスタート、アジアを中心に輸出実績があります。海外の中でも、特に米国はその市場規模の大きさから販路開拓に注力。デザイン性の高いプラスチック製収納ケースを開発し、シカゴのInternational Home ＋ Houseware Showに継続出展し、取引先獲得に努力してきました。2015年に米国小売店との取引が決まり、最初の3年間はニューヨークの代理店経由で輸出しました。3年後の代理店契約終了時には客先も増えたので、今度は弊社で独り立ちして米国内のスムーズな商流確立、現地に根差した営業活動を目的として、現地法人設立を決めました。

International Home ＋ Houseware Show（シカゴ）のブース

従来にない優れたデザイン性のプラスチック収納ケース

米国の経験豊富な専門家が法人設立・運営の土台作りまで支援

法人設立の立地は、時代が変わってきているとはいえ、市場の中心、最先端の情報発信地であり、情報収集もできるニューヨークにしました。法人設立を決めてから最も苦労したのが法規関係で、設立手続き、税務会計など全く分からない状態でした。そこで2017年からジェトロ「新輸出大国コンソーシアム」の専門家支援を受けることにしました。専門家は米国の経験豊富で、法人登記から現地人材の雇用、法人運営の土台づくりまでのアドバイスのほか、税務会計の弁護士・会計士、物流業者の紹介や現地出張にも同行してもらい、大変ありがたく勉強にもなりました。同時期に西海岸の倉庫での在庫確保も進めました。2018年7月に無事登記を終え、現在はショールームを兼ねたオフィス物件を検討中です。

現地オフィスのイメージ

即納体制を実現するための現地倉庫

将来は現地ニーズに合った製品づくりを目指す

現地法人を作ったメリットとして、新規商談先に米国内の法人があることで安心感につながる点、米国内の倉庫からのオンタイムデリバリーによる即納体制を持つことができた点が大きいです。今後はEコマース参入に向け、現地在庫のメリットを生かせるオンラインに強い業者との取り組みを率先したいと考えています。また米国法人のマーケティングで生のニーズを捉え、海外工場の必要性も視野に入れながら製品開発に注力していきます。今回の取り組みを通じて言えるのは、海外展開の際は「まずはジェトロに聞く」ことです。専門家のアドバイスに加え、ジェトロ新潟から入手した法人設立手続きの関連資料、弁護士・会計士リスト、現地事務所でのブリーフィングなどとても有用でした。弊社の規模だと、通常は輸出入経験がある人を採用して、その人のやり方で海外を目指すパターンが多いですが、個人の少ない経験に基づく場合、スムーズにいかないこともあると聞きます。その点、ジェトロの専門家は経験豊富で信頼でき、きちんと足元を固めながら法人設立を進める方法を教えてもらえて、感謝しています。

専門家からのポイント

アステージの目標は、米国での現地法人設立でした。ジェトロの弁護士、会計士リストから何社か選択し、まずメールでのやりとりで見積もりなどの依頼方法をご指導しました。また先方の回答に関するコメント、返事の仕方をご指導することで、費用やパフォーマンスに関する判断経験を積んでいただきました。一方同社は米国での組織運営に関し、具体的なアイディアをお持ちでなかったため、自力で作成できるようビジネスモデルや業務記述などをレクチャーし、都度問題点を説明したのが効果的であったと思います。結果スムーズに現地法人設立ができました。