株式会社柚子屋本店
徹底した事前準備とフォローアップが成功の秘訣!

農林水産物・食品

「萩の空から 萩の土から」をテーマとし、産地の素材を生かした自然な味づくりに心掛けている。柚子果汁、柚子胡椒、夏みかんマーマレード、だいだいのスライスなどの柑橘類加工製造販売を行っている。こだわりぬいた商品は海外での評判も高い。

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だいだいスライスと柚子果汁

国内市場の何倍も手間がかかる海外市場へ

当社商品は、「品質訴求」を信条としており、少量生産方式にこだわり続けています。商品は、すべて化学調味料、その他合成添加物を使用していない手作り製品ばかりで、原料は橙・柚子・夏みかん等、主に地元で栽培されている柑橘類や自社の直営農園、契約農園のものを使っています。果汁の搾汁率は15%以下、一番搾りの果汁のみを使用するなど、高品質な商品を提供しています。

国内市場は縮小傾向にあり、当社が現在の売上を、10年後、20年後も維持できるかどうかわかりません。山口県は他県と比べても人口減少が著しい地域です。海外販売は国内販売より何倍も手が掛かりますが、海外の市場を拡大していく以外に事業を継続することができないと考えています。

輸出は、10年ほど前、海外バイヤーからの引き合いで米国向けに柚子果汁の輸出を開始したのがはじまりです。当初の輸出量はわずかでしたが、近年の日本食ブームを追い風に、ジェトロのサービスを活用しながら、積極的に海外展開をおこない、市場の開拓を行っています。

最初に利用したジェトロサービスは、国内商談会への参加でした。海外販路を開拓するには海外に出張し、取引先候補のアポイントメントを取得して商談するイメージを持ちますが、国内商談会では、国内にいながら複数のバイヤーと一度に商談できます。2013年、2014年に山口で開催した国内商談会や、東京などで開催する商談会にも毎年参加することで、成約を積み重ねてきました。また、同じく2014年からは海外見本市のジャパンパビリオンにも出展し海外展開を加速しています。

徹底した事前の情報収集で戦略的に販路を拡大

海外ビジネスを拡大するため、認証などの取得は積極的に行っています。FSSC22000取得に加えて、PCQI(予防管理適格者)を置くなど、FSMA (米国食品安全強化法)にも対応。食品安全の国際標準規格や、米国の規制強化へのいち早い対応は、海外戦略には不可欠であり、日本食の品質・安全性を高く評価している海外バイヤーとの商談においても、ライセンスを取得していることで有利に働くことが多いです。

また、積極的なバイヤーへの売り込み術も販路拡大には必要です。ジェトロ山口から紹介され、応募、採択された輸出有望案件支援サービスでは、食品輸出に精通した専門家が2年間、自社と二人三脚で販路拡大のサポートを行ってくれます。このサービスは、なかなか海外への一歩が踏み出せない企業にとっては非常に良いサービスだと思います。自社にとってもっとも役立ったのは、専門家が持っている生きた情報です。

2017年は9月にロンドンで開催された食品見本市「Speciality & Fine Food Fair 2017」にジェトロが設置したジャパンパビリオンに出展しました。展示会は出展会場だけが商談機会と思われがちですが、その場の商談だけで成約に結びつくことはほとんどありません。事前準備と事後フォローが不可欠と考え、今回はまず現地で営業するレストランや小売店を専門家と一緒に選定しました。専門家には、それら末端顧客へ販売するために押さえておくべき輸出業者・輸入業者、卸問屋などの情報やコンタクト先を提供してもらい、当社が現地輸入業者と取引をしている国内商社にアポを取り、取り扱いの可否や商流などを確認、本番の9月の1ヶ月前には、ロンドン入りし、現地の輸入業者等にもコンタクトをとりました。見本市では、これらの商談先に加え、更に来場者との商談で販路先を開拓しました。その後、フォローアップとして、相手からの要望に丁寧に応えた商品を提案していきました。

今後は、海外売り上げを毎年40%増に成長させることが目標です。海外でYuzuの人気は高まっていますが、認知度はまだありません。つまり、そこに開拓できる余地が残っているということです。日本食ブームという絶好の大波を逃さず、更なる海外販路開拓を進めていきます。

ジェトロ活用のメリット

国内商談会は、海外まで出向かなくとも海外バイヤーと、国内にいながら商談ができるのが利点です。東京や大阪の得意先回りと併せて参加すれば、かなり効率的です。

専門家支援のメリットは、やはりその専門家が持つ生きた情報です。商流・物流を構築する際に、どのルートが可能なのかを検討するのに大変役立っています。

ジェトロ山口 若林靖子から

商談会や見本市の前後には商談先の規制等のお問い合わせを頂く非常に研究熱心な企業様です。海外展開志向も強く、とてもフットワークが軽い点も海外展開の成功の一因だと思います。

写真 ジェトロ山口 若林靖子

株式会社柚子屋本店 代表取締役 金史一

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 展示会・商談会への参加
    海外販路開拓のきっかけとなる展示会・商談会への出展をサポートします。
  • 貿易投資相談
    本部(東京)、大阪本部、国内各地の貿易情報センターなどでは、お客様から電話、Fax、E-mailで寄せられるご相談にお答えします。
  • 輸出有望案件支援サービス
    輸出戦略の策定から契約締結まで専門家がお手伝いします。優秀な製品を持っていながらこれまで輸出経験がない、あるいは輸出ビジネスを躊躇している中小企業が対象です。
  • 海外ブリーフィングサービス
    世界約70カ所の海外事務所にて、現地一般経済事情やビジネス環境について、海外駐在員や専門アドバイザーが情報提供を行います。

株式会社柚子屋本店

山口県萩市椿東字奈古屋1189(笠山あがる)
Tel:0838-25-7511
URL:http://www.e-yuzuya.com/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表者:代表取締役 金 史一

従業員: 35名
資本金: 5,800万円
事業内容:製造業
目的 :輸出
対象国・地域:米国を中心に約35ヵ国

2018年7月

関連情報

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