井村屋株式会社
同社初の直接輸出を実現

アイスクリーム(あずきバー、やわもちアイス)、菓子(水羊羹、冷凍和菓子)など、国内で知名度の高い製品を有するが、海外展開に本格的に乗り出したのは3年前。海外事業戦略部を新たに設立、自社での直接輸出に取り組むべくジェトロのサービスを活用し始めた。

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海外ビジネス経験
:あり
目的
:輸出
対象国・地域
:台湾、タイ、米国、マレーシア他30カ国

やわもちアイスミルク(15年版)(左)、北海道十勝小豆大福(右)

ジェトロ活用のメリット

海外展示会は個別出展では負担が大きく、出展ノウハウもないため、ジェトロのジャパン・パビリオンは助けになった。そこで得られた引き合いに対し、具体的なフォローアップの方法等、貿易実務講座で学んだ内容を実践して成果に結びつけた。

海外売上を全体の10%に

日本全国でも知名度の高い同社だが、海外ビジネスは過去30年、商社経由の間接輸出のみの受動的なもので、台湾やタイなどに並行輸入で自社製品が入っているものの、自社では海外流通を把握しきれていなかった。
2013年、同社は海外売上を全体の10%にするべく、3名体制の海外事業戦略部を立ち上げ、本格的な取り組みを始めた。しかし、各国・地域の市場動向や流通事情、バイヤーについての情報不足、海外で認可されている原材料や食品添加物についての確認不足、海外展示会での数多くの引き合いへの対応力不足などの課題に直面した。そこで同社はジェトロの支援を得ることとし、まずはTHAIFEX 2014(タイ最大級の国際総合食品見本市)のジェトロが運営するジャパン・パビリオンに出展した。


FOOD TAIPEI

同社初の直接輸出を実現

タイの展示会では、今まで把握しきれていなかった自社製品の並行輸入ルートの把握と、現地に製品を輸出している商社を経由しての現地での販売先開拓に注力した。一方、既存の販路以外のパートナー候補については、ジェトロの専門家からの紹介を受けることで商談の質を担保した。
同社の海外事業戦略部の担当者は、商談スキルセミナーや貿易実務講座・オンライン講座を受講し、十分なスキルアップを図ってから展示会での商談に臨んだ。こうした準備が奏功し、展示会で得たさまざまな企業との接点を活かし、現地企業向けの販路の開拓に成功した。
また、台湾の展示会では、直接取引の相手となりうる代理店とのコンタクトを得て、商談を進めた。直接輸出の経験がないことから、貿易手続きや契約等で不明な点もあったが、ジェトロへの相談やスキルアップした担当者の努力が実を結び、同社初の直接輸出契約の締結に至ることができた。
さらなる販路拡大も順調だ。新たな販路として台湾の日系コンビニエンスストアにも同社商品が納入されている。主要食材への規制の関係で輸出できないことも多い加温食品についても市場開拓を進める方針だ。
海外ビジネスの拡大を受け、海外事業戦略部は5名体制に拡大。15年度の海外売上は、2年前の2倍に増加。中期事業計画(15~17年度)においても海外事業の加速化を明記しており、ASEAN諸国などを中心に輸出での売上をさらに伸ばす構えだ。


井村屋(株)
海外事業戦略部 副部長 中野 憲一 氏

ジェトロのサービスは多岐に渡り、非常に充実しているので、自社の実情に合わせて活用していくことで大きな効果が得られると思う。

写真 海外事業戦略部 副部長 中野 憲一 氏
ジェトロ三重
所員 中山 貴弘

ジェトロの展示会や商談会を有効活用いただき日本国内のみならず世界でも“Imuraya”の味を広めるお手伝いをしていく!

写真 三重 所員 中山 貴弘

ご利用いただいたジェトロのサービス

  • 貿易投資相談
    本部(東京)、大阪本部、国内各地の貿易情報センターなどでは、お客様から電話、Fax、E-mailで寄せられるご相談にお答えします。
  • 輸出有望案件支援サービス
    輸出戦略の策定から契約締結まで専門家がお手伝いします。優秀な製品を持っていながらこれまで輸出経験がない、あるいは輸出ビジネスを躊躇している中小企業が対象です。

井村屋株式会社

三重県津市高茶屋七丁目1番1号
http://www.imuraya.co.jp/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表取締役社長:岩本 康
従業員:602名(2023年3月31日現在) 資本金:3億1,000万円
事業内容:菓子、食品、デイリーチルド、加温、冷菓、冷凍菓子の製造・販売及びそれに付帯する事業、レストラン事業

2023年3月

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