和光製紙株式会社

本当の成功に向けて販路開拓に注力

和光製紙株式会社

高知県吾川郡

紙製品の開発

<海外進出> 対象国・地域:タイ

写真:ウエスクリーン

地域に貢献する事業拡大を

和光製紙は、1966年、高知県の製紙産業の集積地、いの町で創業した製紙メーカーだ。時代のニーズに応じて、製品ごとに新型の加工機械を導入し、同社の主力商品である機械や部品の汚れを拭き取る産業用ペーパーウエスのほか、ポケットティッシュやトイレットロール、トイレクリーナーやウエットティッシュなど様々な商品を生産してきた。

ペーパーウエスの主要ユーザーである製造業企業が続々と海外に進出し、国内市場が縮小傾向にあったため、同社塩田社長は海外を目指す必要性を感じていた。一方、いの町の企業として当地に残り成長することで社会貢献したいと考える同社としては、日本と海外の両方で成長を遂げる道を模索する必要があった。

同社が活用したジェトロの主なサービス・支援

セミナー・講演会参加
海外ブリーフィングサービス
新興国進出個別支援サービス(2013年7月~15年3月)

ジェトロを利用し、手探り状態から脱出

2010年頃から独自にタイで市場調査を開始した。タイでは粗悪な布を材料にしたウエスが一般的に使われる一方で、ペーパーウエスについては一部マレーシアからの高価格な輸入品が流通しており、タイに進出して生産すれば十分に商機はあると判断していた。しかし、土地勘も知り合いもない中での調査はアポイント取得にも苦労するなど、効率が悪かった。ちょうどその時、ジェトロの新興国進出個別支援サービスを知り応募、13年7月に採択された。

それまで五里霧中とも言える海外進出だったが、専門家のアドバイスを得ることで情報面でも人脈面でも道が開けた。進出計画の策定からBOI申請や法人登記などの具体的な実務手続きなど操業にいたるまでの準備作業を効率よく進めることができた。また、投資リスクを下げたい意向を専門家に相談し、貸し工場に入居することや機械は日本から中古品を持ち込むことなどを決めた。さらに、専門家から紹介を得た専業コンサルタントが同じ高知県出身という縁にも励まされるところも大きかった。


タイ工場

本当の成功に向けて販路開拓に注力

14年3月には現地法人「THAI WAKO PAPER CO., LTD. タイ・ワコー・ペーパー」を設立、8月に操業を開始した。同社の海外進出は日本の既存取引先の海外移転に伴う進出ではないため、ゼロの状態から販路を開拓しなくてはならない。当面はタイで生産した製品を日本に輸入しつつ、現地での販路を開拓していく方針で、塩田社長がひと月のうち約3分の1をタイで過ごし、販路開拓に努めている。

同氏は「操業しただけで成功とは言えない。製品を現地で販売して利益を出してこそ本当の成功」という。タイ進出が実現したことで日本の社員のモチベーションも向上し、社内に活気も出てきた。全社一丸となって本当の成功を目指し、同社のタイでの取り組みは続く。

タイへの社員旅行の実現を
代表取締役社長 塩田 誠人(まさと) 氏

成功に向けて、まずは3年後を目処に、タイでの売り上げ1億円を目指す。景気が悪くなったこともあり、10年ほど前から社員旅行を実施していないが、タイへの社員旅行をぜひ実現したい。

和光製紙株式会社

高知県吾川郡いの町3936
Tel:088-892-1144

従業員:47名 資本金:8,000万円

2015年3月

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