SUVと二輪が市場を牽引

(インド)

ベンガルール発

2018年05月02日

インド自動車工業会(SIAM)は4月10日、2017年度(2017年4月~2018年3月)の自動車(四輪・二輪など)販売台数を発表した。乗用車〔スポーツ用多目的車(SUV)とバンを含む〕は、前年度比7.9%増の328万7,965台で、2年連続で300万台を突破し過去最高を記録した。

SIAMは2017年度の乗用車販売について、「2016年11月に発表された前例のない高額紙幣廃止の影響や物品・サービス税(GST)の導入による混乱など、さまざまな需要をそぐ要因があったものの、小型SUVを中心にした各社による新モデルの投入が乗用車の需要を後押しした」と分析している。

乗用車のセグメント別の販売動向で特徴的だったのはSUVで、前年度比21.0%増の92万1,780台と大きく拡大した。特に、小型SUVへの消費者の関心が高まっている。メーカー別では、首位のマルチ・スズキがSUVとバンを含め前年度比13.8%増の約164万台を売り上げ、ほぼ半分の市場シェアを確保した。2位の現代や地場マヒンドラ&マヒンドラ、タタ・モータースもそれぞれ顕著な伸びを示した。

二輪車は2,000万台を突破

二輪車販売は、前年度比14.8%増の2,019万2,672台となった。都市部で人気のスクーターの販売台数は、19.9%増(671万9,911台)と2桁台の成長を維持した。また、農村部で需要が高いオートバイは、モンスーン期の降雨が順調だったことで農作物全体の生産が増加し、農家の収入が増えたことから、前年度比13.7%増と伸長した。メーカー別の二輪の販売台数は、最大手のヒーローがオートバイとスクーター合わせて738万2,718台(13.9%増)となり、市場シェアは前年度の36.9%から36.6%とほぼ横ばいだった。続くホンダは、577万5,287台(22.2%増)で、シェアは26.9%から28.6%に拡大。一方、3位の地場バジャージは、1.3%減の197万4,577台に減少した。

2018年の自動車販売見通しについて、SIAMは「高額紙幣刷新およびGST導入をめぐる混乱から脱し、都市部、農村部ともに需要が回復基調にあり、今後とも各セグメントの販売が次第に拡大していく」との見方を示した。

(土田葉)

(インド)

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