UAEとのFTA交渉開始へ前進、タイ企業は食品輸出拡大に期待

(タイ、アラブ首長国連邦)

バンコク発

2023年03月22日

タイ商務省貿易交渉局は31日、アラブ首長国連邦(UAE)との自由貿易協定(FTA)締結に向けた公聴会(224日実施)の結果を発表した。公聴会に参加した民間企業からは、購買力が高いUAEの消費市場へ輸出拡大の機会が得られるとして、高い期待が寄せられたという。また、FTAUAE企業によるタイへの投資拡大にも追い風となるという。特にコンピュータ・情報サービス分野への投資が期待されている。

タイのコンサルティング会社ボリジャー・アンド・カンパニーの調査によると、タイとUAEFTAは、UAEと湾岸協力会議(GCC)の両市場でタイの輸出製品・サービスの競争力を向上させ、タイのGDP0.080.09%押し上げる効果があるという。UAEへの輸出拡大が期待できる品目は食品や繊維・衣料品、皮革製品、木材、化学品、ゴム・プラスチック、非鉄金属、電気製品・電子機器、工具・機械、自動車・部品などだ。特にUAEは農産物・食品を中心に輸入品に依存しており、在タイ日系食品メーカーにも恩恵がありそうだ。

UAEからの輸入増が見込まれる物品は植物油脂や化学製品、金属製品、自動車・同部品などだという。

タイ内閣は228日、研究結果とUAEとのFTA交渉の枠組み案、関係者からのフィードバックを考慮した上で、タイとUAE間の包括的経済連携協定(CEPA)設立の交渉を開始することを承認した。DTNFTA交渉開始に向けて、内部手続きを加速させるという。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、アラブ首長国連邦)

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