スイス国立銀行、UBSによるクレディ・スイス買収支援を発表

(スイス)

ジュネーブ発

2023年03月20日

スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は319日、スイス最大の銀行のUBSによる同業クレディ・スイス(CS)の買収支援について発表し、同日夜に関係機関とともに記者会見を行った(SNBのプレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

SNBは連邦政府、金融市場監督庁(FINMA)とともに、UBSCS買収を支援するとした。この買収で、例外的な状況から金融の安定性を確保し、スイス経済を保護する見通しが立ったとした。

支援によって、両行は「金融政策に関するガイドライン」に従い、SNBの既存の融資枠に無制限にアクセスすることができ、また、連邦参事会(内閣)の緊急条例に基づいて、両行は破産時に特権債権者として流動性支援融資を合わせて最大1,000億スイス・フラン(約143,000億円、1スイス・フラン=約143円)受けることができる。さらに、連邦参事会の緊急条例に基づき、SNBCSに対し、連邦債務不履行の保証として、最大1,000億スイス・フランの流動性支援融資を行えることとした。

これら流動性の大幅な供給により、両行は必要な資金を確保することができるとし、SNBは金融システム安定に貢献するため、引き続き連邦政府、FINMAと緊密に連携していくとしている。

UBSCSもそれぞれ同日、記者発表を行った。それによると、UBS株1株につき、CS22.48株を割り当てることとし、買収額は約30億スイス・フランで、2023年末までに買収が完了する見通し(UBSのプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますCSのプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(竹上嗣郎)

(スイス)

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