ジョンソン・コントロールズ、バッテリー事業の分社化または売却を検討

(米国)

シカゴ発

2018年04月11日

米大手自動車用バッテリー製造のジョンソン・コントロールズ(JCI)がバッテリー事業の分社化または売却を検討している。

ジョンソン・コントロールズの主要事業は自動車用バッテリーの開発・製造とビル管理システムの2本柱だ。このうちウィスコンシン州を本拠地とする自動車用バッテリー部門は自動車メーカーおよびアフターマーケットの両方に強いブランド力を有する。同社によると、特に自動車用の鉛酸バッテリーでは世界最大のサプライヤーで、年間約1億5,200万ユニットが製造・販売されている。2017年における同分野の売上高は73億ドル、また利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)は16億ドルで、JCI全体の売り上げの約24%を占めている。

経営資源を防火・防災ソリューションなどの分野へ集中

ジョージ・オリバー会長兼最高経営責任者(CEO)が発表(3月12日)した内容によると、同社は自動車用バッテリー部門の「戦略的な代替案(strategic alternatives)」を検討し、HVAC(空調)、防火・防災ソリューションおよび統合ビル管理システムに資源を集中するとしている。

また同社は、2016年にアイルランドに本社を置くタイコ・インターナショナルと事業統合しており、この際に、自動車用のシートとシート部品における世界最大級のグローバルサプライヤー部門を「アディエント」として分社化している。

北米の自動車部品市場に詳しい日本自動車部品工業会(JAPIA)北米事務所の河島哲則代表は、「JCIの最終目標は自動車部門全体の分離で、これは現在のオリバーCEOが就任した当初から示されていたもの。今回の事業再編は今に始まったことではなく、大きな戦略の中の一部分」との見方を示した。

(河内章)

(米国)

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