投資家とスタートアップの交流イベント開催

(エジプト)

カイロ発

2018年05月22日

起業支援を行うアクセラレーターのFlat 6 Labsは5月14日、カイロでスタートアップと投資家との交流イベント「Spring 2018 Demo Day」を開催した。同社は中東・北アフリカ6都市に拠点があり、起業支援の相談および起業後フォローアップ、インキュベーション施設運営やスタートアップ支援イベントを行っている。

同イベントでは起業して間もない10社が、投資家からの出資を募るためプレゼンを行った。各社の事業内容は雇用マッチングサイト、通学・通勤のバス乗車アプリ、食品配達アプリ、薬局の配達アプリ、保険の申請・請求アプリなどのIT関連サービスだった。約半年前に起業したインターネットバンキングの会社は、新たなシステム開発に必要な出資を募るために参加したという。

写真 スタートアップのプレゼン会場(ジェトロ撮影)

会場内では、投資家、起業家および起業を考える若年層などとの交流会が開催され、スタートアップのPRスタンドでは熱心に自社の技術やビジネスをアピールしていた。

写真 スタートアップのPRスタンド(ジェトロ撮影)

エジプトでは、若年層の高い失業率や政府の後押しなどを背景に起業が増えている。これを促進するため、エジプト政府は、法律の整備、投資サービスセンターの改善、中小企業の減税措置などの取り組みを進める。サハル・ナスル投資・国際協力相は地元経済誌のインタビューで、2017年に制定された新投資法、2018年に制定された新破産法により、会社の設立と清算をより簡単に行えるようになったため、起業の活性化につながると述べた。

エジプト投資・フリーゾーン庁(GAFI)の管轄する投資サービスセンターは、センター内に各省庁の手続き窓口を集約化し、書類が整い次第、1日以内で会社が設立できることを目指しており、インターネットでの会社申請も可能にする計画がある。海外からの投資には一定の規制があるものの奨励しており、GAFI内にジャパンデスクを設け、日本企業や投資家からの投資誘致にも取り組んでいる。

エジプトでは2018年に入り、外貨不足が解消に向かい、急激な物価上昇も一服している。起業や投資が活発化することで経済が上向くことが期待されている。

(井澤壌士)

(エジプト)

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