非常事態宣言、約2年ぶりに解除へ

(トルコ)

イスタンブール発

2018年07月09日

トルコのビナル・ユルドゥルム首相は7月5日、2016年7月15日のクーデタ未遂事件後に発令した非常事態宣言を、7月18日を最後に延長しない意向だと述べた。

非常事態宣言は、当初3カ月が予定されていたが、発令以来これまで7回にわたって延長されており、通算で約2年間に及んでいる。ユルドゥルム首相は、非常事態宣言下後の治安などにかかわる法令を発令するとし、新しく発足する議会の反対動議がなければ18日には正常化すると述べた。

レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、6月24日の大統領選挙で52.59%の得票率で勝利し、同時に行われた国会議員選挙でも与党連合が過半数(定数600)を獲得したことにより、トルコでは安定政権に対する期待が高まっている。国会議員の議員宣誓式は7月7日に行われ、週明け9日の午後4時にエルドアン大統領の就任宣誓、6時に新大統領制度導入式典、そして9時に大統領が指名した内閣の人事が発表される予定となっている。

2016年7月のクーデタ未遂後のトルコの治安は、順調に回復してきており、2017年1月のテロを最後に、大きな事件も発生していない。しかし、トルコに進出している国外のビジネス界が、非常事態宣言の継続を大きなリスク要因としてきたことから、同宣言が解除されることで、ビジネス環境の好転が期待されている。

(中島敏博)

(トルコ)

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