ビジネスビザ取得手続きは煩雑、早めの対応を

(エチオピア)

アディスアベバ発

2017年02月23日

 プロジェクト関連情報の収集や商談など、ビジネスでエチオピアを訪問する日本企業関係者は多い。ビジネスビザの取得には、エチオピアに拠点を置く企業からの招聘(しょうへい)状が必要で、通常は招聘企業が移民局で申請することとなる。空港では観光ビザしか取得できないため、ビジネスビザの取得は早めの対応を心掛けたい。

<拠点を置く企業の招聘状が必要>

 当地を訪問する企業関係者が頭を悩ますのがビジネスビザの取得だ。渡航者はエチオピアに拠点を持つ企業から招聘状を発行してもらう必要があり、招聘企業は申請者としてアディスアベバにある移民局に必要書類を持ち込むことが求められる。

 

 ビジネスで当地を訪れる日本企業関係者は、日本から渡航するとは限らない。当地に拠点を持たない企業は、南アフリカ共和国やケニア、ドバイ〔アラブ首長国連邦(UAE)〕、英国などからエチオピアでの事業を管轄していることが多く、これら第三国でのビジネスビザの申請は、日本からの渡航者なら必要とされない在留許可証などの写しも必要となる。

 

 移民局は申請受理後、原則3営業日以内に管轄のエチオピア大使館担当者にビザの発給許可を電子メールで通知し、これが申請者にもメールで知らされる。申請者は渡航者にその旨を伝えて、渡航者が管轄のエチオピア大使館に申請するとビザが発給される。

 

<実情を理解して早めの準備が重要>

 日本以外の第三国で招聘企業がビジネスビザの発給を求める場合、移民局での申請手続きに必要な書類は次のとおり。

 

1)申請書フォーム(必要事項記入の上、社印が必要)

2)招聘状(企業のレターヘッド付き、社印が必要)

3)渡航者のパスポートの写し(顔写真のページ)

4)渡航者の第三国での在留許可証やビジネスビザなどの写し

5)招聘企業のエチオピアにおける商業ライセンスの写し

6)申請者(招聘状署名権者)の身分証明証の写し、または申請者の代理人が移民局に赴く場合は、代理権がある旨をエチオピアの公証役場にて認証を受けた書類の写し。

 

 これらのうち、(3)と(4)は渡航者が用意する必要がある。エチオピアはインターネット環境が脆弱(ぜいじゃく)で、数日間もつながらないことや、サイズが大きいファイルは受領困難なケースもあるため、早めに添付ファイルを軽くするなどの配慮をしたい。(1)の申請書フォームは移民局で販売されており、120ブル(約100円、1ブル=約5円)だが、領収書は発行されない(申請受領印をもらった後に申請フォームはコピーも添付し、書類一式と合わせて提出する)。

 

 移民局と管轄のエチオピア大使館とのビザ発給許可のメールは担当者間の個人アドレスで送受信されることもあり、仮に管轄の大使館担当者が休暇などにより不在だと、代わりに手続きできる者がいないこともあり得る。担当者間のメールはヤフーやGメールなどのフリーアドレスも使われており、申請者のネット環境によってはスパムメール扱いで排除され、移民局と管轄大使館のやり取りに気づかない可能性もある。まれにアドレスが間違っていることもあるという。この場合、招聘企業が移民局に出向いて事情を説明する必要がある。また3営業日以内に通知されないこともあるため、注意が必要だ。招聘状には、パスポート情報や渡航の日付、期間、目的などに加えて、渡航者との関係も記載する必要がある。ビジネスビザを取得する際には、渡航者は招聘企業と相談し、早めの準備が求められる。

 

(関隆夫)

(エチオピア)

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