ベンガル新年を迎えた消費市場、2023年は独特の傾向

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年04月13日

バングラデシュ暦の新年(ベンガル新年)を4月14日に迎える。ベンガル語で「ポヘラ・ボイシャキ(Pohela Boishakh)」と呼ばれ、街中は祝賀ムードに包まれ、カラフルに飾り付けされる。同国ではこの時期、ベンガル新年を祝うため国民の消費が活発になることが一般的だ。しかし、2023年はそのわずか1週間後の4月21日から、同じく消費が大きく拡大する断食月(ラマダン)明け休暇「イード・ウル・フィトル(Eid-ul-Fitr)」が控えていることもあり、独特の傾向がみられる。

バングラデシュ国内に21店舗を構え、衣料品などを販売する地場系小売店アーロン(AARONG)の営業担当者は「当店では毎年、ベンガル新年とイードのために特別な商品をそろえている。この2つの行事が同時期にある今回、消費者はベンガル新年よりもイードにより関心を寄せているようで、イード用のドレスや装飾品の売れ行きの方が好調な状況だ」と話す。また、手工芸品を取り扱う小売店のジャトラ(JATRA)では、今回はイードのみに焦点を当て、ベンガル新年については特別な催しを実施しないという。ダッカ大学近くでベンガル新年向けの商品を取り扱う小売店によると、ベンガル新年がラマダン期間中に当たることも、商品の売り上げが芳しくない要因の1つのようだ。

現地報道によると、一般的にベンガル新年の時期には通常と比べ20%、イードとラマダン時期では同60%ほど消費拡大する傾向があった(「ファイナンシャル・エクスプレス」紙2022年4月14日)。同国は後発開発途上国(LDC)からの卒業を控え(2021年12月6日記事参照)、消費市場の拡大に注目が集まる中、2023年はベンガル新年と時期の近いイードに向けた消費状況に関心が引き続き向けられている。

写真 ベンガル新年の祭り「モンゴルショバジャトラ」に向けた準備を進めるダッカ大学ファインアーツ学部(ジェトロ撮影)

ベンガル新年の祭り「モンゴルショバジャトラ」に向けた準備を進めるダッカ大学ファインアーツ学部(ジェトロ撮影)

写真 ベンガル新年用の服を販売するアーロンの店内(ジェトロ撮影)

ベンガル新年用の服を販売するアーロンの店内(ジェトロ撮影)

(瀧本祝、イスラット・ジャハン、薄木裕也)

(バングラデシュ)

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