送電線網、外資系企業の落札目立つ

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年07月05日

国家電力庁(ANEEL)は6月28日、送電線網の入札を実施した。16州(注)20区画における送電線網の建設、設置、運用、保守を請け負う事業で、47事業者が参加した。入札対象事業の送電線距離は2,562キロ、変電所出力は1万2,226メガボルトアンペア(MVA)、投資見込額は60億レアル(約1,680億円、1レアル=約28円)に上る。ANEELが入札要領を定めた最高送電料金(RAP)に対して事業者が割引率(デザシオ)を競うかたちで落札する。ANEELによれば、割引率は落札された全区画平均で55.3%と、ここ20年間で最も高いという。

今回の入札で最大の落札事業者となったのはインドのスターライトパワーでセアラ州、リオグランデドノルテ州の第3区画、セルジッペ州、バイーア州の第7区画、パラ州の第15区画など北部、北東部の主要案件を中心に合計6区画落札した。同社の落札区画合計の送電線は全体の73%に当たる1,859キロ、投資見込額も全体の6割に当たる36億レアルに及ぶ。同社は2017年4月、12月に実施された送電線網入札でも主要落札者の1つだった。同社以外に主要区画を落札したのはコロンビア電力会社ISAが出資するCTEEPで、同社は南部サンタカタリーナ州の第1区画、南東部サンパウロ州の第10区画を落札した。また中国の国家電網が9割以上を出資するサンパウロ州の電力会社CPFLも北東部セアラ州の第9区画を落札している。

今回落札された事業は3年~5年3カ月以内に送電線網の建設、設置を完了し、30年間にわたり事業収入を得るコンセッションとなっている。

(注)アラゴアス、バイーア、セアラ、ゴイアス、マラニョン、ミナス・ジェライス、パラ、パライーバ、ピアウイ、リオデジャネイロ、リオグランデドノルテ、リオグランデドスル、サンタカタリーナ、サンパウロ、セルジッペ、トカンチンスの各州。

(二宮康史)

(ブラジル)

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