外国投資家評議会が投資環境白書を発表

(セルビア)

ウィーン発

2019年11月22日

セルビアの外国投資家評議会(FIC)は11月13日、第17回投資環境白書の報告会をベオグラードで開いた。FICはこれまで16年間にわたって政府に対し、投資環境を改善し、国民の生活水準向上を図るための具体的勧告を行ってきた。現在の会員は23分野の約120社で、その従業員も2003年当時は3,160人だったが、今や10万人以上となっている。2003年に1億5,000万ユーロだったメンバーの投資額も、350億ユーロまで増加している。外国企業誘致を主要な経済政策の1つに据える政府は、毎年恒例となっているFICの提言発表を重視している。

報告会であいさつしたヤナ・ミハイロバFIC会長によると、2018年に発表した272件の勧告に関して、顕著な改善が見られたのは全体の7%、一定の改善は34%、改善がなかったのは59%だった。顕著な改善が行われた分野には、「公証人に関する法律」や「石油・ガス分野での不正取引などの改善」などがあった一方で、改善されなかった分野には、「労働法(身体障害者雇用とリハビリ休暇)」「税務手続き」「公共調達」「不動産の住宅ローンやファイナンス・リース」があったと述べた。

アナ・ブルナビッチ首相はこれを受けて、「2018年の改善勧告に対する達成度40%超という数値には満足している。また、政府はFICの勧告に基づいて新たな幾つかの法案を既に議会に提出したほか、FIC白書の勧告を実行するためにワーキンググループを設置した」と述べた。また、2020年度の目標として、改善勧告の達成度50%という「魔法の数値」を超えることとも言及した。ポジティブな現在の経済状況にも触れ、「セルビアへの海外直接投資額は2017年に26億ユーロだったが、2018年は35億ユーロとなった。2019年は8月までで既に24億ユーロで、前年同期比で35%増加している。2019年の経済成長率は3.5%と予測されている」と語った。

(鈴木秀男)

(セルビア)

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