無印良品、ジャパン・ハウスの期間限定店舗販売が好調

(ブラジル)

サンパウロ発

2018年06月26日

日用雑貨や衣料品を扱う「無印良品」は6月19日、ブラジルのサンパウロ市パウリスタ大通りに面するジャパン・ハウスの1階にポップアップストア(期間限定店舗)をオープンした。同店舗では、7月22日までの約1カ月間で約330品目の商品を販売する。

開店前に長蛇の列

ポップアップストア開店初日、2日目とも開店前には長蛇の列ができ、好調な滑り出しとなった。売上額は公表されていないが、ジャパン・ハウスの入場客数は通常1日1,200~1,500人なのに対して、初日は3,800人以上と推定されている。ポップアップストアの商品にはブラジル・レアル建ての値札が貼られ、販売価格は輸送や輸入コストなどを考慮して日本での価格の2.5倍から3倍程度に設定されている。

このような値段設定にもかかわらず、各種ノートやボールペン、化粧水などに使うカットコットン、旅行・衛生用品小物入れ、LED卓上ランプ、整理ボックス、透明ジュエリーケースなどが飛ぶように売れている。関係者によると、ブラジル人消費者は優れた品質とデザインに満足して購入しているという。

ブラジルは約2億人の市場を抱えるも、日本からの距離や輸入コストの高さゆえに、輸入消費財の販売は容易ではないとされてきた。その状況を打開したのが「100円ショップ」で知られるダイソーだ。アイデアに富んだ実用性の高いダイソーの商品に、ブラジルの消費者が注目して人気が高まった。現地の大型ショッピングセンターからも出店要請を受けるほど、集客効果の高い有望チェーンとなっている。ダイソーは2012年にサンパウロ中心街に1号店を開設し、現在の店舗数は25に上っている。

今回、無印良品が出展したポップアップストアの反応と今後のブラジル進出可否の行方は、ダイソーよりも高価格帯の日本ブランド生活雑貨がブラジル市場に受け入れられ、採算が合うかどうかの試金石になるだけに、同業界に影響を与える可能性がありそうだ。

(大久保敦)

(ブラジル)

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