2017年第4四半期のGDP成長率は前期比0.6%

(スイス)

ジュネーブ発

2018年04月18日

経済省経済事務局(SECO)が3月に行った発表によると、2017年第4四半期の実質GDP成長率は前期比0.6%(前年同期比1.9%)だった(表1参照)。

表1 スイスの実質GDP成長率 (前期比)

産業別では、製造業がやや鈍化したものの引き続き成長を牽引したほか、サービス分野では、金融サービス(前期比2.3%増)をはじめ、宿泊および外食(1.6%増)、交通輸送および通信(0.7%増)、公共サービス(0.5%増)など、貿易(0.1%減)を除くほぼ全ての分野で好調を維持した。

需要項目別でみると、民間最終消費支出が前期比0.2%増、建設投資も1.1%増と加速した一方、設備投資は1.3%減と約3年ぶりにマイナスに転じた。設備投資の縮小は変動の激しい研究開発部門への急激な投資の抑制が主因とみられる。一方、車両やITへの投資は増加している。

財の輸出は、前期の力強い成長から一転、1.4%減と第4四半期のGDP成長率の押し下げ要因となった。輸出品目別にみると、仲介貿易およびエネルギーが減少したものの、化学・製薬製品、機械、金属は引き続き成長した。

2017年通年の実質GDP成長率(暫定)は前年比1.0%だった(表2参照)。力強さに欠けた年初(注)から後半に向けて加速し、通年では製造業をはじめ幅広い産業分野に支えられスイス経済の実体的な成長基調を示した。

表2 経済予測(SECO発表)

2018年成長率予測は2.4%に上方修正

また、SECOは同月、2018年の実質GDO成長率を2.4%とする予測を発表した。世界的な景気回復基調を背景に輸出産業および内需が成長を牽引していくとし、12月に発表した予測値(2.3%)から上方修正した。

(注)2017年初めの低成長率の要因としては、貿易、ヘルスケア、公共サービスの低調に加え、主要な国際スポーツイベントの不在が挙げられる。スイスには国際オリンピック委員会(IOC)、国際サッカー連盟(FIFA)、欧州サッカー連盟(UEFA)の本部が立地しており、それらの国際大会が開催される偶数年にはチケット販売、商標権、放映権などの収益がスイスGDPに影響を及ぼす。

本報告の詳細は以下を参照のこと。

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(杉山百々子、ブリショー・雅子)

(スイス)

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