チリ中銀、2026年成長率見通しを0.25~0.75%へ大幅下方修正、景気減速が鮮明に
(チリ)
サンティアゴ発
2026年09月11日
チリ中央銀行は9月9日、金融政策報告書(IPoM)を公表し、2026年の実質GDP成長率見通しを0.25~0.75%へと大幅に引き下げた。前回6月のIPoMでは1.0~1.75%としていたが(2026年6月18日記事参照)、国内需要の減速や労働市場の悪化、鉱業生産の低迷などを反映し、成長予測を大幅に下方修正した。
中央銀行によると、年初の景気低迷は主として供給側要因によるものだったが、第2四半期(4~6月)以降は需要の弱さが鮮明になった。国内支出の伸びは第1四半期(1~3月)の前年同期比2.3%から第2四半期には0.1%へ低下し、民間消費や総固定資本形成(投資)がともに勢いを失った。企業・家計の景況感も悪化しており、5~7月の失業率は9.5%(季節調整済み9.3%)に達した。さらに、鉱業生産の減少や豪雨などの悪天候も経済活動の重荷となった。
投資見通しも大幅に引き下げられた。2026年の総固定資本形成は6月時点で前年比2.2%増と見込まれていたが、今回は0.3%減へ修正された。不動産市場の低迷や大型案件の終了、新規投資案件の延期に加え、公共投資の減少が影響した。一方、民間消費は1.5%増と見込まれるものの、従来予測を下回る水準となっている。
インフレ見通しについては大きな変更はなかった。年間総合インフレ率は足元で4%前後、コアインフレ率は3.2~3.4%で推移しており、中東情勢を背景とした燃料価格の上昇が主な押し上げ要因となっている。中央銀行は2026年末のインフレ率を4%強と予測し、2027年第2四半期には3%の目標水準程度に収束するとの見方を維持した。
もっとも、中央銀行は2027年以降の景気回復を見込んでいる。現在調整が進む復興法(経済社会復興・開発法)が主に投資を押し上げることで、2027年の成長率は2~3%、2028年は2.25~3.25%になると予測した。
金融政策では、政策金利は4.5%に据え置かれた。中央銀行は中東紛争の長期化や国内景気の低迷が予想以上に続く可能性を指摘し、マクロ経済環境には「通常以上に高い不確実性」が存在すると警告した。専門家の間でも2026年の成長率見通し引き下げは共通認識となっており、中央銀行が9月に発表した経済見通し調査では2026年のGDP成長率予測中央値が0.7%まで低下した。市場では、インフレ動向を見極めながら、当面は政策金利が4.5%で据え置かれるとの見方が優勢だ。
(橋爪優太)
(チリ)
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