米テキサス州ダラスで中間選挙に向けた共和党全国大会が初開催
(米国)
ヒューストン発
2026年09月16日
米国の共和党全国委員会(Republican National Committee、RNC)は9月9~10日、テキサス州ダラスで中間選挙に向けた全国党大会を開催した。会場にはドナルド・トランプ大統領、J.D.バンス副大統領をはじめ共和党幹部や選挙候補者らが参加し、テキサス州からはグレッグ・アボット州知事、ダン・パトリック副知事、テッド・クルーズ連邦上院議員、ケン・パクストン州司法長官(連邦上院選挙の共和党候補)などが登壇した。減税、移民・国境対策、安全保障などを主要テーマに、11月の中間選挙に向けて、支持者の結束と投票率向上を訴えた。
トランプ氏は演説で、共和党が上下両院の支配を維持した場合、全成人に5,000ドルを支給する「トランプ配当(Trump Dividend)」構想をあらためて表明した。一方、財源や制度設計は明らかにされておらず、実現性を疑問視する声も上がっている。
バンス氏は2日目の基調講演で民主党を厳しく批判し、イラン戦争を例に、党内で政策に対する意見の違いがあっても結束するよう呼びかけた。移民政策と出生地主義についての演説中には、メキシコ国旗を掲げた抗議者による中断もあったが、演説はその後再開された。
共和党において、大統領選挙の年以外に全国規模の党大会を開催するのは初の試みだ。本大会がテキサス州ダラスで開催された理由には、同地が歴史的に共和党を象徴する点に加えて、共和党が2026年中間選挙を重要かつ厳しい戦いになると認識しており、特に連邦上院議員選を意識していることがうかがわれる。共和党上院候補のパクストン氏と民主党候補のジェームズ・タラリコ州下院議員の接戦が続き、注目されている。最近の世論調査ではタラリコ氏が優位となっている(2026年9月14日記事参照)。
トランプ氏は大会で、パクストン氏を最も重視している候補者として扱い、「必要ならテキサスに2回でも3回でも応援に来る」と発言した。大会中には、民主党のタラリコ氏が演説や映像の中で繰り返し取り上げられ、共和党側の主要な攻撃対象になっていた(注1)。
RNCのジョー・グルーターズ委員長は、トランプ氏を前面に押し出す同大会を「トランパルーザ(Trumpapalooza)」(注2)と表現しており、中間選挙での投票率上昇効果を狙った。米主要メディアは総じて、今回の大会は候補者紹介の場というより、トランプ氏の支持層を投票所へ動員するためのイベントと評した。
(注1)タラリコ氏陣営やテキサス民主党は会場近くで記者会見や独自イベントを実施し、共和党大会を「Billionaire Ball(億万長者の舞踏会)」と批判した。また、イスラム教徒の民主党議員が名指しで批判され、イスラム教徒を民主党の象徴として仕立てるなど、イスラムへの攻撃が行われた。イスラム団体からは非難の声も上がっており、このような言説が、政治的な暴力につながることが危惧される(ザ・ヒル9月13日)。
(注2)「パルーザ」とは、英語で熱狂的なパーティーを意味する俗語。
(キリアン知佳)
(米国)
ビジネス短信 db91176623a13ef6





閉じる