日本・米国中西部会で先端製造などへの投資に関するセッションを開催
(米国、日本)
福岡発
2026年09月16日
米国インディアナ州インディアナポリスで9月9~11日、日本・米国中西部会の第56回日米合同会議(2026年9月16日記事参照)が開催された。
10日にエグゼクティブ・パネルセッション「将来の課題への対応:先端製造、労働力、インフラの強化と投資」が行われた。モデレーターを務めたジェトロの石黒憲彦理事長はセッション冒頭、米国中西部は世界有数の製造業拠点である一方、新技術の台頭やサプライチェーンの変化により競争力の維持が一層重要な課題になっていると指摘した。人材・インフラ・周辺産業を含めた総合的な視点と、企業・行政・教育機関・地域社会による継続的な投資・協働の必要性を強調し、日米が互いに学び合えると述べた。
パネリストからは、アイシンの北米管理統括などを手掛けるアイシン・ワールド・コープ・オブ・アメリカのスコット・ターピン・エグゼクティブ・アドバイザーが、自動化やロボティクス、人工知能(AI)活用による従業員負担軽減の取り組みを紹介した。
米国のエンジン製造大手カミンズのエリザベス・ホーグマン健康・安全・環境(HSE)およびグローバル製造エグゼクティブディレクターは、グローバルな製造ネットワークの強みに言及したうえで、データセンター向け発電需要の拡大による高出力事業への投資拡大と、脱炭素化を含む同社のサステナビリティー戦略「デスティネーション・ゼロ(Destination Zero)」におけるバッテリーなどへの継続投資を説明した。
米国三菱重工業の津久井隆雄社長は、中西部でのターボチャージャー・ガスタービン事業の実績を紹介し、過去10年の変化として脱炭素路線の見直しやAI・データセンター需要による発電設備需要の拡大を挙げた。
ANAホールディングスの平子祐志特別顧問は、半導体製造装置の航空輸送を担う物流網の重要性を説明し、AI時代にこそ現場の知見と責任感を持つ「持続可能な人材」の育成が不可欠だと強調した。
その後の質疑応答では、AI時代における人材育成の重要性が複数のパネリストから共通して指摘された。ANAホールディングスの平子特別顧問は、AIを使いこなしながら経験や暗黙知を掛け合わせ、高度な判断力を持つ「持続可能な人材」の確保が安全・品質を支える「見えないインフラ」として不可欠であり、一企業・一国では解決できず日米連携が必要だと述べた。米国三菱重工業の津久井社長は、日本の若手人材を即戦力として育成する仕組みを例に挙げ、米国でも普及させたいとの考えを示した。
セッションの様子(ジェトロ撮影)
(栗原里奈)
(米国、日本)
ビジネス短信 ba3467cfff993d58





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