中国、商品消費の拡大・高度化の推進に関する実施意見を発表、4つの重点分野を示す
(中国)
北京発
2026年09月09日
中国の商務部など7部門は8月13日、「商品消費の拡大・高度化の推進に関する実施意見
」(以下、意見)を発表した(商務部ウェブサイトへの掲載日は8月31日)。中国政府は「国民経済と社会発展第15次5カ年(2026~2030年)規画綱要」(2026年3月11日記事参照)で商品消費の拡大・高度化の推進を重点課題として掲げた。また、「消費拡大『第15次5カ年規画』に係る承認」(2026年7月17日記事参照)では、2030年までに年間の社会消費品小売総額を約60兆元(約1,440兆円、1元=約24円)とする目標を設定した。同意見は、両文書で示された方針の着実な実施を図るためのものと位置付けられる。
同意見は、2030年までの社会消費品小売総額の目標を示した上で、グリーン消費、スマート消費、健康消費などでそれぞれ10兆元規模の市場を育成し、自動車、家電、通信機器、繊維・衣料品など、1兆元規模の品目における小売額を持続的に成長させるとした。重点4分野は次のとおり。
- 大口・耐久消費財の消費促進
- 生活必需品・日用品の消費拡大
- 特色ある商品消費の支援
- 高度化型商品の消費育成
1.では、地域による自動車購入制限措置の最適化や、中古車の流通管理制度の整備を進める。また、家電販売企業に対し、製造・回収事業者と連携した販促活動を推奨するとした。
2.では、茶・コーヒーチェーンによる「県域」(県が管轄する地域、注1)への展開を推奨するとした。また、スポーツ用品、楽器、シルク製品、3Dプリンタ関連製品などの消費拡大を図る。
3.では、高齢者家庭に外骨格ロボット、電動車椅子などの製品、健康モニタリング、入浴介助などの機器の普及を推進するとした。また、電子商取引(EC)プラットフォーム上に輸出向け優良商品専用コーナーの設置を推奨するほか、中国国際輸入博覧会などを活用して輸入ルートを拡大するとした。
4.では、新エネルギー車(NEV)、省エネ家電などの普及と活用を積極的に推進するほか、人工知能(AI)搭載のスマートフォン・パソコン、スマートウェアラブル端末などの普及を進める。また、保健食品の研究開発とイノベーションを促進し、希少疾患向け特殊医学用途調製食品承認手続きの迅速化を推進するとした。
このほか、都市・農村の消費拠点整備、消費財の標準体系整備、ブランド構築、財政・金融支援、市場秩序の適正化など5つの支援措置が盛り込まれた。
なお、国家統計局の発表によると、2025年の社会消費品小売総額は、前年比3.7%増の50兆1,202億元、2026年1~7月は前年同期比1.2%増の28兆8,000億元となった。また、2025年の一定規模以上の事業者(注2)による自動車類、家電・音響映像機器類、通信機器類および衣類・靴・帽子・織物類の小売額はそれぞれ1兆元を超えた。
(注1)中国の行政区分は、省級、地級、県級、郷級の4つの階層で構成される。「県域」は県を構成する郷級(郷、鎮、村)区域を総称した概念。
(注2)年間の主な業務による売上高が500万元以上の小売企業。
(蔣春霞)
(中国)
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