米ニューヨーク開催のイベントでアニメIPの商品化戦略とファンダム活用を議論
(米国、日本)
ニューヨーク発
2026年09月18日
米国ニューヨーク市で8月20日、コンテンツ業界関係者向けBtoBイベント「ANIME NYC&XTRACKS・ライセンシング・サミット」が、ANIME NYC(2026年9月18日記事参照)に併せて開催された。コンテンツIPのライセンサー、ライセンシー、小売事業者などが参加し、アニメ、マンガ、韓国発コンテンツをはじめとする知的財産(IP)のライセンシングや商品化戦略、ファンダム(注1)活用について議論した。また、ビズメディア、セガ、講談社USAなどライセンスビジネスを展開するコンテンツ企業による基調講演やパネルディスカッションも行われた。
パネルディスカッション・基調講演の様子(ともにジェトロ撮影)
サミット冒頭では、アニメ市場がかつてのニッチな趣味の領域から、300億ドルを超えるグローバルなエンターテインメント市場へ成長したことが紹介された。その背景として、視聴者層の拡大だけでなく、ファンエンゲージメント(注2)の高さが挙げられた。ビズメディアによると、アニメ視聴者の69%が関連商品を購入しており、米国では視聴者の40%が年間200ドル以上を関連商品に支出している。こうした消費意欲を背景に、ライセンスビジネス、小売り、体験型エンターテインメントなどで新たな事業機会が生まれているとした。
米国のライセンシーである 3社(注3)が登壇したパネルディスカッションでは、アニメIPの商品化を判断する際の要素が議論された。登壇者は、熱量の高いファンダムへの理解、市場データの分析、小売事業者の需要把握に加え、ファンコミュニティーとの継続的な接点が不可欠だと指摘した。また各社は、ANIME NYCなどのポップカルチャーイベントへの参加、SNSのモニタリング、消費者動向の分析などを通じて有望なIPを発掘しており、原作への忠実性、競合商品との差別化、ターゲット層との親和性の高さが商品化への成功につながると紹介した。
実務上の課題としては、商品化から市場投入までのスピード、製品承認、小売り流通、SNSマーケティング、正規品としての真正性の確保などが挙げられた。日本企業によるライセンス承認については、近年改善が進んでいるものの、アパレルや小売業界が求める商品投入のスピードに対応できていないことがあるとの意見が出た。市場機会を逃さないために、迅速な承認と機動的な対応が必要だとした。
パネルディスカッション後のネットワーキングには、アニメIPを活用する業界関係者が参加し、新たな事業機会や連携の可能性について意見交換を行った。
(注1)熱心なファン同士が交流するコミュニティーのこと。
(注2)ファンエンゲージメントとは、ブランド・チーム・クリエイターとファンの間に生まれる「愛着・共感・信頼」に基づく強いつながりや、応援・購買・参加などの“行動として現れる関係性”を指す。
(注3)(1)世界的なポップカルチャーIPを活用したライセンス商品の企画・製造・販売を行うバイオワールド・マーチャンダイジング、アニメ、エンターテインメント、(2)スポーツなどのライセンスを活用したアパレル商品の企画・生産・卸売りを行うシーライフ・グループ、(3)ポップカルチャーIPを活用したライセンス商品を展開するピラミッド・アメリカ。
(岩渕華奈、セドリック・チャールズ)
(米国、日本)
ビジネス短信 90425aed05a23c13





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