中国、長期介護保険の給付管理の全国統一化に向け、指針を公表

(中国)

大連発

2026年09月03日

中国国家医療保障局は8月26日、「長期介護保険支払い管理業務の適切な実施に関する指導意見」(以下、意見)を公表した。中国政府は2028年末までに長期介護保険制度を全国導入する方針を示していた(2026年4月1日記事参照)。本意見は、地域ごとに異なる給付範囲、支払い方式、支払い基準について統一的な指針を示し、各省・市・自治区などに対し、それに基づく実施を求めるもの。なお、既存の試行地域(注)において関連業務が本意見の要件に合致しない場合は約3年間の移行期間を設けるとした。

指導意見によると、長期介護保険基金は、要介護度の認定評価を行う指定評価機関が実施する要介護度評価に係る費用、認定を受けた介護サービス機関(以下、認定介護サービス機関)が提供する介護サービス費、民間機関などが担う保険運営管理業務の費用などを給付する。介護サービスの給付範囲は、2025年9月に公表された「国家長期介護保険サービス項目目録(試行)」に基づく。同目録は、食事や排せつなどの生活介護20項目と、看護やリハビリテーションなどの医療・看護関連16項目の計36項目を定めている。

支払い方式は、要介護度の評価機関に対しては実施件数ベース、介護サービス機関に対しては提供時間ベースでの支払いを基準とした。また、在宅介護サービス提供者に対しては時間、施設介護サービス提供者に対しては利用者1人当たりの利用日数を基準とし、コミュニティー介護サービス提供者に対しては実際のサービス内容に応じて算定方法を定める。具体的な支払い基準は、長期介護保険基金の財源や介護サービスの需給状況などを踏まえ、各地域が設定し、必要に応じて見直す方針だ。長期介護保険の給付対象に含まれるスマート介護サービスや介護補助器具については、定額払いまたはサービス項目単位での支払いを含む算出方法を、今後、国家レベルで統一的に検討するとした。

また、要介護度の評価機関と認定介護サービス機関のサービス品質を評価し、その結果を各機関に対する費用支払いや契約更新に反映するとした。あわせて、要介護度の評価料金と介護サービス料金を継続的にモニタリングするほか、長期介護保険基金の使用について、立ち入り検査やスマート監督管理などによる常態的な監督体制を整備するとした。

中国において2025年末時点での長期介護保険の加入者数は約3億855万人、2025年中に給付を受けた人は約193万人。同年の長期介護保険基金支出は186億4,400万元(約4,475億円、1元=約24円)で、認定介護サービス機関は約1万3,000カ所、介護従事者は約40万人だった。

(注)中国では2016年から長期介護保険制度の試行導入が開始され、2025年末までに49の都市で実施されてきた。

(呉冬梅)

(中国)

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