タイ国家EV政策委員会、物品税の見直しを承認、使用済みバッテリー管理も検討

(タイ)

バンコク発

2026年09月16日

タイ投資委員会(BOI)は9月10日、国家電気自動車(EV)政策委員会(NEVPC)を開催し、EVに対する物品税の見直しについて、大枠の方針を承認したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。NEVPCは、エクニティ・ニティタンプラパス副首相兼財務相が議長を務め、投資、生産、現地部品調達、雇用など、国益に直結する税制への転換を目指す。

タイ政府は、中国からの輸入EVが増加する中、公正な競争環境を構築するため、8月時点で、物品税見直しの方針を既に示していた(2026年9月3日記事参照)。NEVPCに参加したタイ自動車工業会(TAIA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、新税制では、国内投資・生産・付加価値の段階に応じて、次の指針に沿い、税率が区分される予定だ。

  1. 国内に製造拠点を持たない輸入者によるEV輸入には、より高い税率を適用する。
  2. 国内に製造拠点を持つ一方、特定のモデルを輸入する必要があるメーカーについては、国内で創出する経済的な付加価値に基づき、輸入割当量を決定する。
  3. 主要な電子部品の国産化に至っていない一方、一定の現地部品を使用する国産EV(国産部品の利用拡大が見込まれる)は、税率を引き下げる。
  4. 主要電子部品など国産部品を高い水準で使用する国産EVは、税率を引き下げる。

具体的な税率は、財務省が9月中に結論を出した後、閣議に提出する見通しだ(9月10日付現地紙「プラチャーチャート」)。また、商用EV(バス・トラック)やEVバイクの普及促進については、NEVPCから財務省事務次官に対して検討指示がなされた。

物品税の議論に加えて、NEVPC傘下に、使用済みバッテリー・車両の管理を監督する「現代自動車・同部品産業振興小委員会」(委員長:ワラウット・シラパアーチャー工業相)と、充電施設や関連規制を検討する「充電インフラ整備小委員会」(委員長:エーカナット・プロムパン・エネルギー相)が設置された。

BOIによると、EV関連で投資奨励が承認された案件は、8月末時点で累計189件、約1,514億バーツ(約7,116億円、1バーツ=約4.7円)相当に上る。内訳は、バッテリー製造が約871億バーツ、バッテリー式EV(BEV)製造が約386億バーツ、主要部品製造が約126億バーツと続く。投資奨励を受ける事業者が設置を予定するEV充電口数は2万3,135口で、うち急速充電が1万249口を占める計画だ。これらが実現すれば、急速充電口数だけで2030年までの政府目標(1万2,000口)の85%に達することになる。

(藪恭兵)

(タイ)

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