タイ政府、自動車の税制見直しで検討会議開催へ

(タイ、中国)

バンコク発

2026年09月03日

タイ政府は8月30日、自動車に対する物品税の見直しを進めていることを明らかにした外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。9月7日に開催予定の政府の検討会議での議論に向け、検討が本格化している。

財務省・物品税局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、タイで販売される自動車には物品税が課される。2026~2027年の適用税率は、排気量に応じて、ガソリン・ディーゼルなど内燃機関車(ICE)が13~34%、ハイブリッド車(HEV)が6~24%に対して、電気自動車(EV)への税率が2~10%(注1)となっている。

エクニティ・ニティタンプラパス副首相兼財務相は、公正な競争を促す観点から、税率構造・基準を検討するよう、物品税局に指示した。ラチャダ・タナディレーク政府報道官は、一部の自由貿易協定(FTA)では輸入車に特恵関税が認められるが、国内市場・投資・生産のバランスを取る観点から、物品税の構造を検討する必要があるとの見方を示した。タイ関税局によると、ASEAN中国FTA(ACFTA)を活用する場合、中国からタイへの輸入EV〔関税分類(HSコード)8703.80項〕の関税は0%となる(注2)。

中国から輸入されるEVは、タイで製造されるEVと比べて、製造コストは30~40%安いとみられている(国営放送「タイPBS」8月26日付)。国際エネルギー機関(IEA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2024年にタイで販売されたEVのうち、中国からの輸入車が86%を占めた。また、中国系自動車メーカーの販売シェアは78.2%に達した。

現地紙「プラチャーチャート」(8月29日付)によると、輸入EVに対する物品税率は30~32%に引き上げる案が検討されており、9月7日の開催予定の国家EV政策委員会での議論を経て、早ければ10月にも引き上げが実施される可能性がある。

同紙によれば、輸入EVに対する物品税を即時に引き上げた場合、車両価格が最大20%上昇する可能性がある。これを受け、一部の業界団体は1年間の猶予期間を設けるよう求めている。

タイEV協会(EVAT)は、タイ政府と物品税をめぐる協議を重ねてきたとして、タイは安価なEVの消費市場であってはならないとの考えを示し、国内への投資やタイ製部品の使用、技術主権の確立に向けたアプローチへの支持を表明している(EVATによるフェイスブック投稿8月20日付)。

(注1)EVに課される物品税率については、タイ国内で車両生産するメーカー(同車両の輸入者を含む)が、一定の先進運転支援システム(ADAS)搭載やバッテリーなど主要部品の現地調達などの条件を満たす場合、2%が適用される。なお、輸入車については、タイのEV振興策「EV3.0」、「EV3.5」に基づき、輸入台数に応じた国内生産義務などの条件を満たす事業者に限り、同税率の適用対象となる。

(注2)日本からタイへのEV輸入については、日タイ経済連携協定(EPA)および日ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)を活用した場合、その特恵税率はいずれも20%が適用される。

(藪恭兵)

(タイ、中国)

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