米報告書のブカシ・バタム経由の迂回輸出懸念、インドネシア政府は否定

(インドネシア、米国)

ジャカルタ発

2026年09月15日

インドネシアのアイルランガ・ハルタルト経済担当調整相は8月20日、ジャカルタで記者会見を開き、米国のホワイトハウスが8月13日に発表した、中国原産品などが関税の低い第三国を経由して対米輸出される「迂回輸出」の実態を分析した報告書「The Great Transshipment Scam(大いなる積み替え詐欺)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(2026年8月18日記事参照)の指摘を正式に否定した(8月20日付「アンタラ」)。同大臣は、報告書の分析は事実ではなく、仮定に基づくものだと述べ、インドネシア政府として本調査に一切関与せず、事前通知も受けていなかったと説明した。

同報告書は、中国関連の迂回輸出リスクが高いとする40カ国以上を、中国との貿易規模や経済的結び付きの強さに応じて3つのグループ(注)に分類し、インドネシアをブラジル、マレーシア、タイ、トルコ、ベトナムとともに、中国との経済統合が深い2つ目のグループ(Tier2)に位置付けた。特に、ブカシ・バタム地域で扱われるプラスチック製品〔容器・梱包(こんぽう)材など、HSコード392310に分類される物品〕を、迂回輸出の懸念事例として挙げた。

アイルランガ大臣は、報告書が指摘したブカシ、バタムの両地域について、1990年代から製造業を中心に発展してきた地域であり、プラスチック・梱包関連企業の大半は国内企業であると強調した。原料についても、チャンドラ・アスリやロッテ・ケミカルなど国内の石化企業によって生産されているとして、中国からの迂回材料に依存していないと反論した。

翌21日には、同大臣は今回の論争が両国によって既に署名済みの米国・インドネシア間の相互貿易協定(ART)の履行には影響しない見通しを示し、報告書の内容を引き続き注視する方針を示した(8月21日付「CNBCインドネシア」)。

(注)3つのグループは(1)中国関連製品の取扱量が膨大で多様な産業基盤を有する国・地域、(2)原材料の調達拠点や製造拠点などとして中国との深い統合がみられる国・地域、(3)積み替えが行われている絶対量は少ないものの、安価な労働力や米国への優遇アクセスなどを背景に、中国からの迂回輸出の拠点になり得る小規模経済国・地域、に区分される。

(大滝泰史)

(インドネシア、米国)

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