サウジアラビアの東西パイプライン、無人機攻撃受け操業停止

(サウジアラビア、湾岸協力会議(GCC)、イラク、エジプト、トルコ)

リヤド発

2026年09月14日

サウジアラビアのエネルギー省は9月11日、同国の東部州とマディーナ州を結ぶ東西パイプライン(注)が9月10日に複数回の攻撃を受けたと発表した。複数人が負傷して医療措置が講じられたほか、予防的措置として操業を停止し、専門チームが防護・点検作業を進めている。

サウジアラビア外務省は9月12日、攻撃がイラク領内から発射された複数の無人機によるものと断定し強く非難した。ただ、どの勢力による攻撃か、特定の勢力名は公表されていない。同省は、イラクのアリー・ゼイディー首相から攻撃阻止に向けた対策の機会を求められたことを受け、現段階での報復措置は見送り、イラク政府の取り組みを支持する方針を示した。ただし、主権や重要インフラ、住民を守るためのあらゆる対抗措置を講じる権利は留保すると強調した。

無人機の発射地点とされたイラク側でも非難が広がっている。イラク国民議会のハイバト・ハルブーシー議長は、自国の領土や領空がサウジアラビアなどの安全を脅かす目的で利用されることを断固拒否し、国益や外交方針に反する容認できない違反行為だとした。さらに、地域紛争の拡大を防ぎ、主権と安定を維持するため、武器保有を国軍最高司令官統制下の国家および合憲機関のみに限定する徹底管理が不可欠であると訴えた。

湾岸協力会議(GCC)のジャセム・モハメド・アール・ブダイウィ事務総長も国際法違反であり重大な脅威だと指摘し、サウジアラビアの防衛措置への全面支持を表明したと、サウジアラビア国営通信(SPA)が9月12日に報じた。

このほか、トルコやエジプト、GCC加盟国をはじめとする周辺アラブ諸国・地域からも、攻撃に対する強い非難とサウジアラビアへの連帯、主権防衛への支持を示す声明が相次いで発表された。

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(注)東部州アブカイクから紅海沿岸の主要積み出し港である西部ヤンブーまでを結ぶ原油輸送のパイプライン。ホルムズ海峡が封鎖されても、紅海側に原油を輸送できることからホルムズ海峡の代替ルートとして注目された(2026年4月28日付地域・分析レポート参照)。日量700万バレルの輸送能力を持つ。

(林憲忠)

(サウジアラビア、湾岸協力会議(GCC)、イラク、エジプト、トルコ)

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