大連工程学院とユニツリー、エンボディドAI分野の産学連携人材育成拠点を設立

(中国)

大連発

2026年09月11日

中国・大連市に所在する大連工程学院(注1)は9月7日、ロボットメーカーの宇樹科技(ユニツリー・ロボティクス、注2)と共同で設立する「宇樹具身智能産業学院」の調印・除幕式を行った。具身智能は中国語でエンボディドAI(人工知能)を意味する。

同校によると、同学院は東北地域初のエンボディドAIの産業チェーン全体に焦点を当てた産業学院となる。大学と企業が連携し、カリキュラムや教材の共同開発、教員・技術者の相互活用を進める人材育成拠点と位置付ける。学院では、企業の設備やプロジェクトを教育カリキュラムに取り入れ、AI、ロボット技術、工学の実践能力を兼ね備えた即戦力人材の育成を目指す。また、同学院は「宇樹未来クラス」を設置し、企業ニーズに応じたオーダーメイド型の人材育成を進めることで、企業の採用・再教育コストの削減と、卒業後の即戦力化を図る。

2025年3月に開催された全国人民代表大会(全人代)で行われた政府活動報告では、エンボディドAIなどを「未来産業」として育成する方針が盛り込まれた(2026年6月4日付地域・分析レポート参照)。また、遼寧省は「2211(注3)」現代化産業体系の構築を進めており、ロボット、AI、エンボディドAIなどの未来産業も重点育成分野に位置付けられている。さらに、大連市は「大連市国民経済・社会発展第15次5カ年(2026~2030年)規画要綱」において、企業と大学・研究機関との長期的な連携体制の構築を促進し、産業ニーズに即した共同研究や技術開発を強化する方針を打ち出している。

「宇樹具身智能産業学院」の設立は、こうした政策方針を支える人材育成基盤整備の取り組みの1つといえる。大連市では、ほかにもAI分野の研究・人材育成基盤の整備が進む。大連理工大学は9月3日、人工知能学院(AI HUB)を発足した。同学院は汎用(はんよう)AI、エンボディドAI、AI応用の3分野とAIによる研究開発から成る「3+1」体制を採用し、学際的で開放型の研究・人材育成プラットフォームとして運営する方針だ。

(注1)大連工程学院は、2003年設立の大連理工大学城市学院を前身とし、2026年5月に独立転設された私立本科大学。計算機工程学院、電子・自動化学院などの6学院を設置している。

(注2)宇樹科技は、2016年に杭州市で設立された中国のロボットメーカー。高性能な四足歩行ロボットやヒューマノイドロボットのほか、ロボットアームの開発・製造・販売を手掛けている。

(注3)「2211」とは、22の重点産業クラスター、100以上の重点産業チェーン、約1,000社の重点企業を軸とする産業発展戦略。

(李穎)

(中国)

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