チェコ政府、2027年1月から法定月額最低賃金11.2%引き上げを決定

(チェコ)

プラハ発

2026年09月15日

政府は9月7日、2027年1月1日付で月額最低賃金を現行の2万2,400コルナから2万4,900コルナ(約18万4,260円、1コルナ=約7.4円)に引き上げることを発表した。引き上げ額2,500コルナ(11.2%増)は過去最高となった(添付資料図1参照)。

最低賃金に関しては、財務省が省令で公表する平均賃金見通しや、政府が政令で公表する平均賃金見通しに対する割合を基に最低賃金を規定する制度が2025年分から導入されている(2024年8月19日記事参照)。2027年分については、財務省が8月18日付の省令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(チェコ語)で、平均賃金見通しを5万5,627コルナと発表した。最低賃金の平均賃金見通しに対する割合を定める政令に関しては、2027年は44.6%、2028年は45.8%とすることで9月7日に内閣が承認した。

EU統計局(ユーロスタット)によると、7月時点のチェコの最低賃金は、最低賃金を導入しているEU22カ国のうち6番目に低く(添付資料図2参照)、最低賃金の平均賃金に対する割合(2025年)も、データを確認できるEU15カ国のうち13位にとどまっている(添付資料表参照)。

最低賃金の平均賃金見通しに対する割合については、現バビシュ政権も前政権と同様に2029年に47%を達成することを目標に掲げている。これに対してチェコ・モラビア労働組合連合(各労働組合の全国統合組織)は、2029年以降も引き上げを続行し、同連合の長期目標である50%の早期達成を実現するよう、引き続き政府に働きかけていく方針を明らかにしている。

一方、チェコ商工会議所は、最低賃金で就労する一般労働者と、一部の外国人労働者との賃金格差が拡大することに懸念を表明している。政府は労働者不足を補うため、外国人労働者へのビザ優先発給保証プログラムを実施している(2025年11月14日付地域・分析レポート参照)。プログラムの3つのプラットフォームのうち、機械工など中技能の外国人労働者を対象とするものについては、政府は賃金条件として最低賃金の1.22倍以上と定めている。そのため同プログラムを介して雇用する外国人労働者に対しては、企業は2027年1月1日以降、最低賃金を5,478コルナ上回る3万378コルナ以上の賃金を保証することが求められる。同会議所はこれを、同程度の職に従事する労働者の間に不平等をもたらすものと指摘し、ズデニェク・ザイーチェック会長は「(政府・労組との)3者協議の席で是正を提案する予定」と述べている。

(中川圭子)

(チェコ)

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