英政府、タングステン鉱山再開の支援を決定、重要鉱物アクセラレーターガイダンスを発表

(英国)

ロンドン発

2026年09月07日

英国の公的投資機関ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)は8月25日、イングランド南西部デボンのヘマードン鉱山の生産再開に関連する建設・試運転費用などを支援するため、最大7,100万ポンド(約150億円、1ポンド=約211円)を投資すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。政府は、生産される重要鉱物のタングステンの最大50%の調達を優先的に交渉する権利を獲得する。国内供給を確保し、輸入依存を低減させるとしている。ヘマードン鉱山を保有する英国の鉱山会社タングステン・ウェストによると、現在、英国は使用するタングステンの全量を輸入に依存している。

同鉱山は、オーストラリアの鉱山会社ウルフ・ミネラルズが2015年にタングステンの商業生産を70年ぶりに開始したが、資金繰りの悪化を受けて2018年に操業を停止した後、タングステン・ウェストが2019年に買収した。同鉱山には中国を除いて世界最大級のタングステン鉱床が存在し、今後40年にわたり採掘が可能とされる。350人以上の直接雇用が見込まれ、2027年第1四半期中の全面稼働を目指す。

政府は3月にも重要鉱物関連事業への助成を決めている。英国の鉱山開発企業ペンサナがイーストヨークシャー・ハルで建設を計画するレアアース分離施設を助成する。電気自動車サプライチェーンの構築を支援する自動車変革基金(ATF)から総額10億ポンド規模の拠出が見込まれている。

重要鉱物アクセラレーター、第1回の助成金申請は9月30日まで

政府は8月5日、6月22日に発表した重要鉱物の確保に向けた資金提供プログラム(2026年7月7日記事参照)の1つである重要鉱物アクセラレーターのガイダンスを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。書類選考で戦略的適合性、開発能力、自己資金の拠出、実現可能性が十分と認められた申請者がインタビュー審査へ進む。2024年英国重要鉱物リスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます記載鉱物または成長鉱物外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに関する、技術成熟度レベル(TRL、注)6~8の商用化間近だが、単位当たり経済性の実証やリスク低減において大きな障壁に直面している企業やプロジェクトに焦点を当てる。支援対象となるプロジェクトは、2030年3月までに完了することが求められる。プロジェクト当たりの助成額は15万~300万ポンドと見込まれる。第1回の申請期間は9月30日までで、第2回については2027年に発表する予定。

(注)研究開発段階にある技術の成熟度を9段階で客観的に評価する指標。

  • TRL 6:関連環境における技術モデルまたはプロトタイプの実証
  • TRL 7:運用環境における技術プロトタイプの実証
  • TRL 8:試験および実証を経て完成・認定された実用技術

(野崎麻由美)

(英国)

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