中国、信託会社の不動産分野業務に関する弁法を発表、信託資金の用途や管理方法を明確化

(中国)

北京発

中国の国家金融監督管理総局は8月28日、「信託会社の不動産分野における信託業務管理弁法(試行)の公布に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。本弁法は、信託会社が不動産分野における業務を行う際の信託資金の用途や、リスク管理の方法について規定している。2027年3月1日から施行される。

本弁法は、不動産分野における信託業務を資産管理信託と資産サービス信託(注1)に分類するほか、投資対象についても標準化資産と非標準化資産(注2)に分類した。また、信託会社に対し内部で案件管理者制度を確立し、「1案件につき1担当者」を指定するよう求めた。なお、案件管理者制度における責任者は、不動産の事業運営モデルや、関連法令および監督規則に関する知識を持つほか、不動産の開発・運営管理、融資、法務などの関連分野における実務経験を有することが求められるとした。

信託資金の用途については、資金を不動産開発案件に用いる場合、案件実施企業が直接融資および資金の使用主体になる必要があるとした上で、当該案件以外の用途に資金を転用することを禁止した。また、信託会社は、案件実施企業に対する資金管理を強化し、運転資金への転用、土地譲渡金の納付、土地収用などの事前手続き、開発案件と関係のない支払いなどに資金を用いてはならないとした。

案件向けに拠出された信託資金は、信託会社と案件実施企業の合意の上で、当該案件のメインバンクで管理するとした(注3)。管理方法は、メインバンクにおいて案件名義の専用管理口座を開設し、契約により運営ルールを定めるものとした。なお、信託会社とメインバンクは、案件実施企業が提出した資金使用申請および関連証憑(しょうひょう)を審査・承認した上で、メインバンクより承認金額・用途に基づいて資金を拠出する。

リスク管理については、(1)不動産信託業務残高を信託業務実収規模(実際に受け入れた信託財産の規模)の5%以下に抑える、(2)単一不動産企業(グループ)向けの不動産信託業務残高を不動産信託業務残高の20%以下に抑える、(3)非標準化資産による不動産信託業務残高を不動産信託業務残高の50%以下に抑える、集中リスク管理制度を設けた。

(注1)資産管理信託は、委託者から集めた資金を運用し、収益管理を目的とする信託を指す。資産サービス信託は、資産を預かった上で、委託者のニーズに応じ、管理・決済などのサービスを提供する信託を指す。

(注2)標準化資産は、信託会社が不動産業向けに投資する標準化債権資産、株式ならびに関連する法令および監督管理規定に基づき標準化資産と認定されるその他の資産を指す。非標準化資産は、標準化資産以外の不動産関連資産を指し、非標準化債権資産、未上場株式(持ち分)、物権などを含む。

(注3)国家金融監督管理総局などは8月28日、商品住宅開発や商業用不動産を対象とした融資におけるメインバンク制の採用を発表している(2026年9月4日記事参照)。

(西島和希)

(中国)

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