加賀電子、シルマSGSテクノロジーと合弁会社設立
(インド、日本)
ニューデリー発
2026年09月09日
電子部品・半導体販売大手の加賀電子は8月18日、インドの電子機器製造受託サービス(EMS)大手シルマSGSテクノロジー(Syrma SGS Technology、以下、シルマ)との合弁会社Syrma Kaga Electronicsの設立を発表した。出資比率はシルマが60%、加賀電子インディアが40%で、これまで同社とのパートナー提携で展開してきたEMS事業を合弁化し、共同工場運営へ踏み込む。
加賀電子インディア代表取締役社長の村松祐行氏によると(ヒアリング日:8月27日)、加賀電子は2018年のインド法人設立以降、シルマと約8年にわたりEMS事業で協業している。当初は設備投資負担を抑えるアセットライト型で事業を開始し、シルマが生産を担うかたちで事業を行ってきた。一方で、主要顧客であるグローバル顧客向け事業の拡大のためには自社主導の工場運営によるさらなる品質向上を目指す必要があり、加賀電子としてインドでの自社工場設置を目指す機運が高まっていた。独資での工場設立も検討したものの、長年の協業を通じて両者の役割分担や体制が確立されているシルマからの要望があり、相乗効果も期待されることから合弁会社設立を決めたという。
今後は、加賀電子が現地に日本人技術者を配置することで、品質管理技術や生産技術を向上させ、グローバル企業の求めるより高い品質の提供を目指す。一方、税務や法務対応、人材確保などインド特有の課題についてはシルマの知見を活用する。村松氏によると、インドのEMS産業は、電子部品を依然として中国などからの輸入に依存しており、部材の現地調達率向上や人材育成が引き続き課題となっている。今後は、合弁事業の収益性を1年程度かけて見極めつつ、まずはインド北部地域の需要に対応していく。将来的には、インド南部市場の需要取り込みや新規顧客開拓を進め、国内需要に対応しつつ、海外市場向け製品を手掛けるメーカーとの取引拡大も図り、5年以内に売上高100億円を目指す。村松氏は「EMS事業は差別化が難しく、顧客満足度をいかに高められるかが重要になる。売上高拡大と雇用創出につなげられるよう着実に事業を拡大していきたい」と語った。
インドでは製造業振興策の後押しを受けて電子機器の生産拡大が続く一方、税務対応や人材確保などの課題も大きい。今回の合弁会社設立は、日系企業が現地有力企業との協業を深めながら、事業基盤を強化する事例として注目される。
(町田早弥香)
(インド、日本)
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