トランプ米大統領、ハマスなど武装解除に向け合意と発表、対イラン追加攻撃は中止

(米国、イスラエル、パレスチナ、イラン)

テルアビブ発

2026年08月03日

米国のドナルド・トランプ大統領は7月30日(米国時間)、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、パレスチナ自治区のガザ地区における戦後統治や復興を支援する米国主導の「平和評議会(Board of Peace)」が、ハマスなどガザ地区内の武装組織との間で完全な武装解除に向けた合意に達したと発表した。トランプ大統領はこれを「歴史的合意」であり、「恒久的な平和と安全に向けた画期的な一歩」と評価した。また、武装解除は「20項目の(和平)計画」(2026年1月19日記事参照)の重要な節目であり、段階的に実施されるとしている。

合意によると、武装解除の完了に合わせてイスラエル軍が撤退し、国際安定化部隊(ISF)と新たなパレスチナ警察組織がガザの治安維持を担うとしている。トランプ大統領は、これにより「ガザが新たなパレスチナ政府によって統治されるようになり、イスラエルは当然得るべき安全保障を確保できる」と強調した。

画像 平和評議会とハマスなどとの武装解除合意に関するトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

平和評議会とハマスなどとの武装解除合意に関するトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

これに対し、イスラエル側は慎重な姿勢を崩していない。「タイムズ・オブ・イスラエル」紙(7月31日付)によると、イスラエル首相府は「ハマスの完全武装解除、ガザ地区からの武器の撤去および同地区の完全非武装化が、(イスラエル軍の)今後のいかなる撤退プロセスを進める上での前提条件となる」との立場を示した。また、「エルサレム・ポスト」紙(8月1日付)は、今後の合意履行に向けた主要課題として、(1)武装解除の検証、(2)イスラエル軍撤退の進め方、(3)ガザ行政国家委員会(NCAG)の統治能力、(4)ISFの実効性、(5)イランを含む地域情勢の安定の5点を挙げた。特に、ハマスによる武器の引き渡しや廃棄が実際に行われたことを誰がどのように確認するのかが最大の課題であり、武装解除の検証が計画全体の成否を左右する重要な論点になると指摘している。

ガザ情勢に加え、トランプ政権は対イランに関しても外交解決の姿勢を打ち出した。8月2日、米主要メディアが米国とイスラエルによるイランへの追加攻撃が週末にも実施される可能性があると報じる中、トランプ大統領は攻撃計画を中止したと発表した。トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、米国はイランに対し「第二次世界大戦以降で最大規模」の軍事力行使を準備していたと説明した。

その上で、「イランおよび中東諸国から攻撃中止を求める要請」があり、「合意の枠組み(perimeters of a deal)」が形成されたことから攻撃を見送ると明らかにした。また、この枠組みには「ホルムズ海峡の即時かつ全面的な開放とイランによる核の脅威の終結」が含まれるとし、「世界の利益とイランの繁栄のため、迅速な合意成立を条件に攻撃を取りやめることに同意した」と述べた。さらに、「イスラエルもこの取り組みに加わっている」として、関係国に対し交渉の前進を呼びかけた。

画像 対イラン攻撃中止に関するトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

対イラン攻撃中止に関するトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。

(中溝丘)

(米国、イスラエル、パレスチナ、イラン)

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