南アの反移民運動への不安から多数の帰還民が発生、モザンビーク政府関係者が言及
(モザンビーク、南アフリカ共和国、マラウイ)
マプト発
2026年08月05日
モザンビーク政府の閣僚会議報道官が7月8日、「これまでに1,363人のモザンビーク人が暴力行為から逃れるために南アフリカ共和国から自主的に帰国し、同様に6,156人のマラウイ人が自国への帰還のためにモザンビークへ入国した」と述べたと、現地メディア「クラブ・オブ・モザンビーク」が報じた(7月8日付)。なお、今回発表された帰国者数は正規の移住者のみとみられ、南アとの国境沿いのモザンビーク南部ガザ州の輸送業者組合の集計では帰国者は1万人以上とされるなど(7月15日付「クラブ・オブ・モザンビーク」)、実態の正確な把握は困難な状況となっている。
南ア政府は不法移民の取り締まり・強制送還を強化しており、閣僚委員会の7月12日の発表によると、6月の1カ月間で約1,200人のモザンビーク人が強制送還の対象となった。南アでは4月から不法移民に対する市民団体の抗議活動が発生しており(2026年6月29日記事参照)、一部は「ゼノフォビア」(外国人嫌悪)に基づく暴力行為を伴ったものとなっていると指摘される。国際NGOの「国境なき医師団」によると、不法移民だけではなく合法的な移住者や亡命希望者も暴力行為の被害に遭う事例が発生している。モザンビークのダニエル・チャポ大統領は、暴力行為を伴う「ゼノフォビア」を強く非難するとともに、暴力行為への不安から自主的に帰還した人への人道支援を実施していることを明かしている。
モザンビーク政府は南アに居住する同国人を30万人以上としている。また、モザンビークは近隣国から南アへの主要な入国ルートの1つで、国際移住機関(IOM)によると、2025年にモザンビークから南アへの入国件数は年間3万3,700件、うち47%がマラウイ国籍、46%がモザンビーク国籍だった。
(松永篤)
(モザンビーク、南アフリカ共和国、マラウイ)
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