英国のライフサイエンススタートアップを京都に招聘、地域エコシステムとの連携強化へ

(日本、英国)

京都発

2026年08月05日

ジェトロは71316日、京都市および京都リサーチパーク(以下、KRP)と連携し、ライフサイエンス分野における対日投資および協業連携の促進を目的に、英国のスタートアップ企業3社を京都に招聘(しょうへい)した(注1)。バイオテックおよびメドテック分野で事業を展開する企業(注2)で、「HVC KYOTO(Healthcare Venture Conference Kyoto)2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2026年7月28日記事参照)への参加および、京都大学の視察および大学研究者との面談、京都地域企業との個別商談を行った。

京都・関西地域は、京都大学をはじめとする高度な研究機関や、再生医療・創薬分野で世界的に評価される研究基盤を有し、国内有数のライフサイエンスクラスター(注3)を形成している。一方で、海外主要クラスターと比較すると、スタートアップ投資やグローバルなオープンイノベーションの面ではさらなる発展の余地があり、海外スタートアップやグローバル企業との接点拡大が課題となっている。

こうした背景を踏まえ、海外スタートアップと京都・関西地域の企業、大学、投資家などとの接点を創出し、共同研究や概念実証(PoC)、事業提携などの具体的な協業機会の形成を促進するとともに、将来的な拠点設立を含む対日投資につなげることを目的として今回の招聘を実施した。具体的には、国内外のスタートアップ、製薬企業、ベンチャーキャピタルなどが集うHVC KYOTOへの参加に加え、京都大学の研究環境やスタートアップ支援体制の視察、大学研究者や地域企業との面談を通じて、京都・関西地域の主要プレーヤーとの関係構築を図った。

HVC KYOTOでは、13日の商談会において、製薬企業や医療機器メーカー、ベンチャーキャピタルらとの個別商談およびネットワーキングに参加、日本市場への参入や共同研究の可能性について意見交換を行った。14日のピッチセッションでは、自社技術や事業戦略について発表、国内外の企業や投資家に対して事業提携や資金調達に向けた取り組みをアピールした。

写真 ネットワーキング(ジェトロ撮影)

ネットワーキング(ジェトロ撮影)

写真 招請企業によるピッチ(ジェトロ撮影)

招請企業によるピッチ(ジェトロ撮影)

15日には、京都市から外国企業向けの進出支援制度や外国人向けの生活支援制度について説明した。その後、京都大学を訪問し、医学領域における研究環境やスタートアップ支援の取り組みについて説明を受けるとともに、大学研究者との面談を通じて、自社技術を活用した共同研究の可能性について議論した。招聘企業からは、京都大学の産学連携の取り組みや研究技術に対する関心が寄せられた。

写真 京都市による外国企業支援策の説明(ジェトロ撮影)

京都市による外国企業支援策の説明(ジェトロ撮影)

16日には、京都地域の企業との個別面談を実施、自社技術の日本市場への展開可能性や共同研究、事業提携に向けた具体的な協業機会について議論を深めた。

今回の招聘を通じて、英国企業と京都・関西地域の企業、大学、支援機関とのネットワーク形成が進み、共同研究や事業連携、対日投資につながることが期待される。また、海外の先端技術や人材を地域エコシステムに呼び込むことで、京都・関西地域のライフサイエンスクラスターの国際競争力強化や、さらなるイノベーション創出への波及効果も期待される。

(注1)ジェトロの「地域エコシステムへの海外誘致プログラム」の一環として実施。地域のエコシステム関係者と連携し、外国・外資系企業の国内地域への誘致や国際協業連携を推進する。

(注2)招聘企業は次のとおり。

  • アルゴノート(Argonaute)RNA:RNA干渉(RNAi)技術を用いた治療薬を開発するバイオテック企業​
  • ニューボンド(Neubond):脳卒中患者向けのホームリハビリテーションデバイスを開発するメドテック企業
  • インプリ(Impli):IVF(不妊治療)領域におけるホルモンのリアルタイムモニタリングデバイスを​開発するメドテック企業​

(注3)大学や研究機関、スタートアップ企業、製薬企業、医療機器メーカー、投資家などが集積し、創薬や再生医療、医療機器分野のイノベーション創出を促進する産業集積。

(安藤琢朗)

(日本、英国)

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