米自動車大手2社、EV再編費用で第2四半期は最終損益悪化も、通期見通しは引き上げ

(米国)

ニューヨーク発

2026年08月03日

米国の自動車大手フォードは7月28日、2026年第2四半期(4~6月)の決算PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。売上高は前年同期比3.8%減の483億ドル、最終損益は13億ドルの赤字となった。韓国の電池メーカーSKオンとの合弁会社「ブルー・オーバルSK」の解消に伴う36億ドルを含む計42億ドルの特別費用を計上したことなどが影響した(2025年12月24日記事参照)。一方、同費用などの特殊要因を除く調整後EBIT(利払い・税引き前利益)は、前年同期比で17%増加し、25億ドルとなった。世界卸売台数が減少(注1)する中でも、ピックアップトラックなど採算性の高い車種を中心とする販売構成と、割引などを除く実質販売価格の上昇が利益を押し上げた。関税コストについては、第2四半期単独の負担額は開示せず、通期見通し額を約10億ドルに据え置いた。なお、製品部門別で最大の赤字を計上した電気自動車(EV)部門「Model e」のEBIT赤字は生産・販売規模の適正化とコスト削減、米国での販売奨励金の減少などにより、前年同期の13億ドルから9億ドルへ縮小したものの、同部門の売上高は前年同期比56%減少した。通期の調整後EBIT見通しについては、引き続き良好な販売構成と価格効果を見込み、これまでの85億~105億ドルから100億~110億ドルへ引き上げた。

ゼネラルモーターズ(GM)も7月21日、2026年第2四半期の決算外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。売上高は前年同期比1.9%増の480億ドル、純利益は31.1%減の13億ドルだった。バッテリー事業を含むEV戦略の見直しに伴う23億ドルの特別費用などが影響した。一方、調整後EBITは29.8%増の39億ドルと大きく改善した。北米での大型ピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)の堅調な需要に加え、運転支援システム「スーパークルーズ」のサブスクリプション需要の増加、販売奨励金の抑制による価格効果、保証費用や関税負担(注2)、排ガス規制関連費用の減少が利益を押し上げた。特に北米事業の改善が全社の増益を牽引し、同地域の利益率は前年同期比6.1%増から8.6%増へ上昇した。通期の調整後EBIT見通しは、第2四半期の改善傾向が続くと判断して、これまでの135億~155億ドルから140億~160億ドルに引き上げた。

また、両社ともに成長分野として防衛関連事業に言及した。GMが約1,200台を受注済みの米陸軍向け車両について、追加調達に期待する一方、フォードは大型ピックアップトラック「スーパーデューティ」をベースとする軍用車両の試作車3台を米政府向けに製造し、追加案件についても協議していると述べた。両社にとって新たな収益源となるか、注目される。

(注1)世界の卸売台数は前年同期比12%減少。

(注2)第2四半期の総関税コストは約9億ドル。2026年通年の関税負担額は25億~35億ドルを見込む。

(大原典子)

(米国)

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