米オハイオ州でSBエナジー・エヌビディア・オープンAIが協業内容を発表
(米国)
シカゴ発
2026年08月24日
ソフトバンクグループ傘下で米国において発電事業を行うSBエナジー、半導体大手の米エヌビディア(NVIDIA)、生成人工知能(AI)の米オープンAIの3社は8月17日、米国オハイオ州パイク郡で開発が進むAIインフラプロジェクト「ポーツ・パイク・テクノロジーキャンパス(PORTS-Pike Technology Campus)」での協業内容を発表した。エヌビディアは、同拠点にGPU(画像処理装置)やCPU(中央演算処理装置)、ネットワーク機器などAI計算基盤を提供するとともに、SBエナジーへ15億ドルを出資する。オープンAIは20年間にわたり約8ギガワット(GW、注)のIT負荷容量(IT機器向けの電力容量)を確保することで合意した。
ポーツ・パイクは米エネルギー省(DOE)の旧ウラン濃縮施設跡地およびその周辺地域で、本プロジェクトについて、DOEと米商務省、電力会社AEPオハイオ、ソフトバンクグループおよびSBエナジーが2026年3月、オハイオ州パイク郡で大規模発電設備とAIインフラを整備する計画を発表していた。同計画は、日米両政府が2026年2月に発表した対米投資の第1陣プロジェクト(2026年2月18日記事参照)の一環だ。10GWの新規発電設備(うち9.2GWは天然ガス火力)と10GW級データセンターの開発に加え、42億ドルを投じた送電網整備を進める。送電網整備の費用は地域の電力利用者に転嫁せず、余剰の発電・送電能力を地域送電網へ供給し、電力価格の抑制に寄与するとしていた。
同プロジェクトでは、閉ループ型の空冷式冷却システムを採用し、水使用量を抑える方針が示された。あわせて、雇用や地域投資、エネルギー・水使用量の年次報告書を公表するとしている。
建設期間中に約3万5,000人の雇用、運営開始後に約2,500人の長期雇用が見込まれる。また、SBエナジーが地域振興策として表明済みの4,000万ドルの基金に加え、オープンAIも4,000万ドルを拠出する。両社は学校や職業訓練、医療、住宅、公的サービスなど、地域住民の優先事項に沿って支援するとしている。計画は2028年から段階的な稼働開始を予定している。
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は「AIはあらゆる産業を支えるインフラになりつつあり、土地・電力・建屋はAI時代の重要資源になった」と述べた。オープンAIのサム・アルトマンCEOも「この拠点は非常に大規模なものになる。新薬の発見から起業、困難な課題の解決まで、何百万人もの人々がAIを活用できるだけの計算能力を備えることになる」と述べた。SBエナジーのリッチ・ホスフェルド共同CEOは、「地域の電力利用者を保護しながら、数万人規模の高賃金雇用を創出し、南部オハイオの活性化に向けたインフラ投資を進めている」と述べた。
(注)GWとは電力の単位。なお、米国の一般的な原子力発電所1基の発電能力は約1GWとされる。
(坂井愛子)
(米国)
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