フランス、業務用包装材への拡大生産者責任制度の本格運用開始を2027年1月に延期

(フランス、EU)

パリ発

2026年08月06日

フランスのマチュー・ルフェーブル・エコロジー移行担当相は7月28日、2026年7月1日に開始予定だった業務用容器包装・梱包(こんぽう)資材に対する拡大生産者責任(REP)制度について、本格運用開始を2027年1月1日に延期すると発表した。

業務用包装材のREP制度をめぐっては、当初2026年1月の導入を予定していたが、業界との調整やエコ・オーガニズム(注)の認可手続きに時間を要するとして、2025年11月に施行時期を2026年7月1日に延期していた(2025年12月11日記事参照)。

同相は、「汚染者負担の原則」に基づくREP制度について、現時点では円滑な導入に必要な条件が整っていないとの認識を示した。EUレベルでは、制度への拠出義務を負う事業者の範囲を特定するための検討作業がまだ完了しておらず、多くの事業者が自らに加入義務があるかどうか判断できない状況にある。

また、2026年6月にはシテオ・プロ(Citeo Pro)、レコ・プロ(Léko Pro)、トゥワイス(Twiice)の3つのエコ・オーガニズムが、業務用包装材REP制度の運営主体として認可された。当初の制度設計では、対象となる事業者は2026年7月1日以降、これらのいずれかに加入し、業務用包装廃棄物に関するREP義務を履行することが求められていた。しかし、3団体による拠出金体系(料金表)の公表が遅れたことから、企業側は新たな費用負担を事業計画に十分織り込むことができなかった。

こうした状況を踏まえ、同相は制度の本格運用開始を2027年1月1日に延期することを決定した。また、認可を受けたエコ・オーガニズムに対し、2027年向け料金表を2026年9月中に公表するよう要請した。制度上の義務に関する不確実性についても、政府が2026年9月までに解消する方針を示している。

同相は声明で、「業務用包装材REP制度の本格運用開始を2027年1月1日からとすることで、円滑な立ち上げに必要な条件を整えることができる。これにより、エコ・オーガニズムは2026年9月の段階で2027年の料金体系を提示でき、対象事業者に十分な見通しを与えることが可能となる。また、この期間を活用して、製品情報の追跡管理や下流事業者との情報共有の標準化など、技術的な検討作業を完了させる」と述べた。

フランスでは1992年から家庭用包装材にREP制度を導入し、2023年には外食産業向け業務用容器包装へ適用を拡大した。今回の制度は、その対象を業務用包装材全般へ広げるものだ。対象となる業務用包装材には、業務用缶、ドラム缶、輸送用段ボール、パレット、梱包フィルム、フレコンバッグ(輸送用大型袋)などが含まれる。市場投入者は、エコ・オーガニズムに拠出金を支払って回収・リサイクルを委託するか、自ら回収・再資源化ルートを構築することで、生産者責任を果たす必要がある。

(注)拡大生産者責任の枠組みで、国の認可を得て、廃棄物の回収、リサイクル、再資源化の仕組みを構築し、運営する非営利団体・企業。

(山崎あき)

(フランス、EU)

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