チリ外相、中国訪問で対中関係の維持・強化を確認、中国企業幹部に投資誘致を呼びかけ

(チリ、中国)

サンティアゴ発

2026年08月24日

チリのフランシスコ・ペレス・マッケンナ外相は8月18~22日、中国を訪問し、中国政府高官や企業関係者との会談を実施した。今回の訪中は、11月に予定されるホセ・アントニオ・カスト大統領の中国訪問に向けた事前調整という意味合いも持つ。

北京では、王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長、何立峰副首相、国家発展改革委員会の周海兵副主任、科学技術部の陰和俊部長と相次いで会談した。ペレス外相は、中国との関係を重視するチリ政府の立場を伝え、「中国とは建設的で長期的な関係を維持することが基本方針だ」と述べた。

チリは1970年、南米で初めて中国と外交関係を樹立した国となった。1999年には中国のWTO加盟を支持した最初の中南米の国となり、2005年には中国と自由貿易協定(FTA)を締結した最初の中南米の国となった。ペレス外相はこれらを振り返り、半世紀を超える2国間関係の継続性を強調した。

会談では、経済協力の強化が主要議題となった。ペレス外相は、経済成長の回復に向けて投資拡大を促進することが政権の重要課題だとして、その実現における中国の重要性を強調した。また、人工知能(AI)、ロボティクスなどの新技術分野で協力拡大を目指す考えを示した。中国側も、デジタル経済やAIなど新分野での協力強化に前向きな姿勢を示した。

中国はチリにとって最大の貿易相手国だ。チリ外務省によると、2025年の2国間の往復貿易額は約670億ドルに達し、チリの総貿易額の3分の1超を占める。また、中国からチリへの投資額は約40億ドルに上る。中国向け輸出では銅、リチウム、果実、ワイン、サーモンなどが主力品目となっている。

ペレス外相はまた、食品、エネルギー、鉱業、インフラ、通信、電動モビリティーなど幅広い分野の中国企業幹部と会合を開き、投資誘致戦略「Choose Chile」を紹介した。法人税率の27%から23%への引き下げに加え、大型投資案件を対象とした税制安定化措置や許認可手続きの迅速化を盛り込んだ経済社会復興・開発法の内容を説明し、中国企業に対して「チリは今まさに投資すべき場所だ」と呼びかけた。上海でも、企業関係者と会談し、新たな投資機会や貿易拡大の可能性を協議した。

今回の訪中は、米国の301条関税措置(注)を巡ってチリ政府が米国側との協議を続ける中で実施された。訪問を通じてチリ政府は、中国を引き続き重要な経済パートナーと位置付け、投資や貿易分野を中心とする関係強化を進める姿勢をあらためて示した。

(注)チリには、7月24日から12.5%の追加関税が課されている(2026年7月24日記事参照)。

(高橋英行)

(チリ、中国)

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