「AIoT」による予知保全でラオスの製造現場を支援、ラオス発テクノロジー企業センサーノードに聞く
(ラオス)
ビエンチャン発
2026年08月12日
ラオスを拠点に、人工知能(AI)とモノのインターネット(IoT)を組み合わせた「AIoT」の普及に取り組むのが、Sensornode IoT Technology(以下、センサーノード)だ。同社は、コンピュータ工学とシステム設計に詳しいラオス人技術者、ティー・チュアンテビー氏が2023年に設立した。製造業、農業、エネルギーなど幅広い分野で、実証実験やシステム導入を進めている。ジェトロは同氏に事業内容や今後の展望を聞いた(取材日:8月6日)。
ティー・チュアンテビー創業者兼代表取締役(センサーノード提供)
主力サービスは、自社開発の機器管理・監視プラットフォーム「Sensorclouds」だ。振動センサーなどのIoT機器をクラウドに接続し、設備を24時間監視する。異常な振動や、通常とは異なるエネルギー消費を検知すると、担当者に自動通知する仕組みだ。
製造現場では、主に故障の兆候を事前に把握する「予知保全」に活用されている。振動データを分析し、ベアリングの摩耗、部品の緩み、軸ずれなどを早期に特定することで、突発的な操業停止を防ぎ、保守費用を抑えることができる。すでにラオス国内のコンクリート工場などで導入実績がある。
スマート農業分野では、土壌や作物・家畜の生育・飼育環境を監視するほか、施肥、給餌、灌漑、換気などを自動制御している。水や肥料、飼料を必要な時期に必要な量だけ供給し、資源の無駄を抑えながら生産性の向上を図る。
同社の強みは、ソフトウエア開発にとどまらず、センサーや通信機器の設計、通信網の構築、クラウド接続、現場での設置までを一貫して手掛ける点にある。現場に詳しい地元のエンジニアが、顧客の課題や環境に応じて柔軟に対応することで、大手企業との差別化を図っている。
現在は、スマート電力メーターを活用したホテルの電気料金管理やエネルギー消費量の可視化・予測、住宅の室内環境・安全管理にも事業を広げている。2030年までにラオス国内で200社以上の顧客を獲得し、将来は東南アジア市場へ進出する計画だ。
日本企業との連携も重要な成長戦略の1つだ。ラオスに進出する日系企業へのシステム導入を進めるとともに、日本のSIer(注1)やIoT関連企業と連携し、現地での設置や保守、運用を担うパートナーとなることを目指している。また、国際規格ISO 18436-2(注2)に基づく資格を持つ日本の専門家や企業との協力を通じて、振動診断技術の高度化も図りたい考えだ。こうした協業により技術力を強化し、ラオスの産業高度化に貢献するとともに、東南アジアでの事業拡大を目指す。
(注1)SIer(システムインテグレーター)とは、企業の課題や要望に応じ、情報システムの企画・設計から開発、導入、運用、保守までを担う事業者。
(注2)ISO 18436-2は、振動による機械の状態監視・診断を行う技術者の訓練と認証に関する国際規格。
(山田健一郎)
(ラオス)
ビジネス短信 b12fd3f96d248a10





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