カナダ・ラブラドール地域で北米史上最大のクリーンエネルギー投資計画が始動
(カナダ)
トロント発
2026年08月19日
カナダのマーク・カーニー首相は8月17日、ニューファンドランド・ラブラドール州とケベック州、両州の電力会社であるニューファンドランド・ラブラドールハイドロ、ハイドロケベックとラブラドール地域における大規模な水力発電の開発推進に係る包括合意を発表
した。
本合意には、チャーチルフォールズ発電所の増強改修、ガル島水力発電所の建設、関連送電網の整備などが含まれており、総事業規模は約700億カナダ・ドル(約8兆500億円、Cドル、1Cドル=約115円)に達し、連邦政府では北米史上最大のクリーンエネルギー投資と位置付けている。本計画による総発電容量は約1万4,000メガワット分となり、現行比で約3倍の発電容量になる見込みだ。カーニー首相は発表会見で、新たに生み出される電力は「カナダ国内の全ての自動車と、トロント、モントリオール、バンクーバーの全家庭の電力需要を賄うのに十分な量に及ぶ」と述べ、その規模の大きさを強調した。また、建設・運営を通じて約2万3,000人の雇用創出と、2040年代初頭までに約310億CドルのGDP押し上げ効果が期待されている。
今回の発表では、電力開発と重要鉱物開発やインフラ整備を一体的に進める連邦政府の方針も示された。政府は「ラブラドール・トラフ・クリーンパワー・重要鉱物・インフラ回廊」構想を、主要プロジェクト事務局(MPO)による審査・調整対象に指定し、鉱物資源開発に必要な電力、輸送、インフラ整備を包括的に進めると説明した。ラブラドール・トラフは、ラブラドール地方とケベック州にまたがる約1,100キロメートルの鉱山地帯で、カナダの高純度鉄鉱石の主要供給源の1つとして戦略的重要性が高い。
こうした取り組みは、天然資源省が2026年5月に公表した国家電化戦略「パワリング・カナダ・ストロング」で示された方針に沿う(2026年5月20日記事参照)。同戦略は、人工知能(AI)データセンター、重要鉱物、先進製造業などの成長を支えるため、2050年までに国内の電力供給能力を倍増させる方針を掲げている。
(井口まゆ子)
(カナダ)
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