フランス政府、外国投資審査制度の適用ルールを明確化

(フランス、日本、英国、スイス、カナダ、シンガポール、韓国)

パリ発

2026年08月20日

フランス政府は7月30日、外国投資審査制度(IEF)に関する政令(2026-718号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますおよびアレテ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(省令)を公布した。両法令は8月2日付官報に掲載され、8月17日に施行された。今回の改正では、外国の株式市場に上場しているフランス企業への投資に関する外国投資審査制度の適用ルールを明確化した。

フランスでは、外国投資家による機微分野で活動する企業への投資について事前審査制度を設けている(注)。EU・欧州経済領域(EEA)域外の投資家が対象企業を支配下に置く場合や事業部門を取得する場合に加え、議決権取得比率が一定の基準を超える場合も審査対象となる。非上場企業については議決権25%超の取得が対象となる一方、上場企業については10%以上の取得で審査が必要となる。

今回の政令は、外国の株式市場に上場しているフランス企業についても、フランス国内における上場企業向けの10%基準を適用することを定めた。またアレテでは、外国投資規制の対象となる外国の株式市場を具体的に定義し、日本取引所グループ(JPX)のほか、ロンドン証券取引所(LSE)、スイス証券取引所(SIX)、トロント証券取引所(TSX)、シンガポール取引所(SGX)、韓国取引所(KRX)を対象市場として列挙した。

セバスチャン・ルコルニュ首相は8月3日、X(旧Twitter)への投稿で、「戦略企業を守ることは主権を守ることだ」と述べ、「地政学的緊張が高まる中、機微分野における外国投資の管理を強化する」との考えを示した。また、「政府には企業の発展を後押しすると同時に戦略的利益を守る責任がある」と強調した。

専門家の間では、今回の改正は新たな機微分野の追加や審査対象の大幅な拡大を伴うものではなく、外国投資規制の対象となる外国の株式市場の範囲を明確化することで、実務上の不確実性を解消する措置と受け止められている。対象市場を明示したことで、投資家は案件の初期段階から外国投資審査の要否を把握しやすくなり、投資案件の予見可能性向上につながるとみられる。

日本企業にとっても、JPXが対象市場として明記されたことで、フランスの機微分野で活動する企業への出資案件において、審査手続きの必要性を早期に見極めやすくなる。

(注)フランスの外資規制はジェトロウェブサイト「外資に関する規制」を参照。

(山崎あき)

(フランス、日本、英国、スイス、カナダ、シンガポール、韓国)

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