遼寧省瀋陽市、メタノール乗用車購入に消費補助金給付を実施、総額4億元
(中国)
大連発
2026年08月12日
中国の遼寧省瀋陽市政府は7月31日、メタノール乗用車を対象とする消費補助金の給付を実施すると発表した。補助金総額は4億元(約96億円、1元=約24円)、7月1日以降に瀋陽市商務局が公示した販売店でメタノール乗用車の新車を購入した個人が対象で、戸籍やナンバープレート登録地は問わない。車両購入額の10%を補助金として給付する。
瀋陽市は近年、メタノール車産業を重点育成分野に位置付けている。同市は2025年2月、「瀋陽市のメタノール車生産および普及促進に関する若干の措置」を公表した。交通規制の実施時に、条件を満たすメタノール車に新エネルギー車(NEV)と同等の通行権を付与するほか、政府・公共分野での公用車調達にメタノール車が平等に参加できるようにする方針を示した。
メタノール車の産業集積に向けた企業誘致も進む。瀋陽市政府は2024年5月、中国自動車大手の浙江吉利グループ傘下の吉利遠程新能源商用車集団(以下、吉利遠程)とメタノール車の普及、メタノール関連エコシステムの構築などを共同で推進する戦略協力協定を締結した。また、2024年12月には、吉利遠程と金杯(瀋陽)汽車(以下金杯、注)が共同開発した新エネルギー商用車モデル「吉運E6」「吉運E9」がラインオフ(組み立て完了・商品化)した。金杯は今後、吉利のメタノール・水素電動技術を段階的に導入し、ラインアップを順次増やしていく計画だ(2024年12月18日記事参照)。このほか。現地報道によると、2026年7月には、吉利汽車の瀋陽市スマート工場でメタノール・プラグインハイブリッド車「銀河星耀6EF」がラインオフした。同工場は東北地域初のメタノール車生産拠点で、設計年間能力は30万台。同モデルは1.5リットルのメタノール専用エンジンを搭載し、メタノール、電気、ガソリンを任意の比率で組み合わせたハイブリッド方式が採用された。また、瀋陽市はメタノール燃料供給体制の整備も進めており、2026年末までにメタノール燃料供給施設を50カ所へ増設する計画という(「遼寧日報」7月23日)。
遼寧省発展改革委員会は2026年4月、「遼寧省メタノール車普及・応用実施プラン(意見募集稿)」を公表し、2028年末までに省内のメタノール車生産台数を5万台以上とする目標を掲げた。2026年5月29日付の遼寧日報によれば、瀋陽市ではメタノールを利用する車両が872台導入されており、タクシー、小型トラック、路線バスなどで運用されている。
今回の補助金制度も含め、メタノール車産業の育成および普及促進に向けた各種取り組みが展開されている。
(注)遼寧省瀋陽市に本社を置く完成車メーカー。主力製品はライトバンや商用車で、従来型エネルギー車と新エネルギー車の両分野を並行する製品戦略を推進。
(呉暁東)
(中国)
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