インドのゴア州、酒類容器のデポジット制度導入へ
(インド)
ムンバイ発
2026年08月12日
インド西部ゴア州政府は7月2日、酒類の瓶や缶を対象としたデポジット・リファンド制度を9月1日から導入すると発表した。消費者は購入時に預託金を支払い、使用済み容器を回収拠点へ返却することで返金を受けられる仕組みとなる。観光地で問題となっている酒類容器のポイ捨て削減やリサイクル促進を目的としており、まず酒類容器から開始した後、対象品目の拡大も検討されている。ゴア州はインド有数の観光地で酒類消費量も多く、同制度は循環型経済(サーキュラーエコノミー)推進策の一環として位置付けられる。
こうした制度の導入の背景には、インドの酒類消費の拡大がある。ニューヨークを本社とするアイマーク・グループによると、インドのアルコール飲料市場は2025年に1,483億ドル規模であり、2034年には1,762億ドルに達すると予想されている。年平均成長率(CAGR)は1.84%と見込まれる。中でもウイスキー市場においては、7月15日に発効した英国との自由貿易協定(FTA)によりウイスキーの関税率の引き下げも実施されており、さらなる市場拡大が期待されている(2026年6月24日記事参照)。
拡大するインド酒類市場と高級化するウイスキー
また、酒類市場が拡大する中、ウイスキー分野では高級化(プレミアム)化が進んでおり、特に、シングルモルトウイスキーの人気が高まっている。インド・アルコール飲料企業連盟(CIABC)によると、2025年のインドのシングルモルトウイスキーの販売量は、前年比約22%増の約50万ケース(合計450万リットル、1ケース12本、1本750ミリリットル)に達した(「フィナンシャル・エクスプレス」紙2026年7月26日)。プレミアム酒類に対する需要の拡大や国産ブランドの人気上昇を背景に、市場が急成長している。
なお、CIABCによれば、インド産シングルモルトはかつてニッチなカテゴリーと見なされていたが、独自の風味やインド特有の気候条件による熟成効果、国際的な品評会での受賞実績などを背景に認知度が向上している。入門向け商品で約2,300ルピー(約3,910円、1ルピー=約1.7円)、プレミアム商品では5,500~8,000ルピー程度で、高所得層を中心に需要が拡大している。
業界団体のインディアン・モルト・ウイスキー協会(IMWA)は、品質と真正性を保証するため、6月24日に認証商標制度(ホログラム認証)を導入した。同制度は国際基準を参考にしながら、インド特有の気候条件や風土を踏まえた生産基準に適合した製品のみに付与される。
酒類市場の拡大を背景に、環境対応や品質保証といった取り組みも進み、インドの酒類産業は新たな発展段階に入りつつある。
(野本直希)
(インド)
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