マレーシアのヌグリ・スンビラン州議会選で国民戦線が勝利、希望連盟は後退
(マレーシア)
クアラルンプール発
2026年08月14日
マレーシア半島中部ヌグリ・スンビラン州で8月1日、36議席を争う州議会選挙が投開票された。連邦政府を構成する国民戦線(BN)は前回の14議席から18議席、野党連合の国民同盟(PN)も5議席から7議席に議席を伸ばした。両勢力は選挙協力を行い、計25議席と全体の3分の2超を確保した。一方、アンワル・イブラヒム首相率いる希望連盟(PH)は11議席にとどまり、前回の17議席から大幅に後退した。
今回の選挙では、統一マレー国民組織(UMNO)を中核とする中道保守連合のBNとイスラム党(PAS)などを含む野党連合のPNが、連邦レベルでは与党と野党の関係にありながら非公式に候補者を調整した。調査機関イルハム・センターのヒソムディン・バカル氏は、今回の結果について、マレー系・イスラム系有権者がBNとPNの協力を支持していることを示すもの、との見方を示した(CNA、8月3日)。今回の勝利によって、BNの連邦政治における発言力が強化される可能性がある(FMT、8月2日)。
マレーシアではブミプトラ(マレー系と先住民族の総称)が人口の多数を占め、選挙結果を左右する最大の有権者層となっている。一方、PHは今回の州議会選挙で州議会内のマレー系議員を失い、多民族政党連合としての求心力に疑問が投げかけられている(FMT、8月2日)。PHでは、ヌグリ・スンビラン州首相だったアミヌディン・ハルン氏や、同州運輸相で民主行動党(DAP)のアントニー・ローク事務総長が落選した。アンワル首相率いる人民公正党(PKR)は5議席から2議席へ後退した。
今回の州議会選は、2025年11月のサバ州議会選、2026年7月のジョホール州議会選(2026年7月24日記事参照)とPHの敗北が続く中、連邦議会下院の次期連邦総選挙(GE16)に向けた有権者動向を占う重要な政治指標と位置付けられていた。ザヒド・ハミディBN議長はBNとPNの協力を今後も継続する考えを示している。一方、マレーシア工科大学(UTM)のマズラン・アリ氏は、今回の成果が今後のBN・PN協力の継続を保証するものではなく、PASの地盤であるクランタン、トレンガヌ、ケダ、ペルリス各州における候補者調整や議席配分で合意できるかどうかが、両勢力の連携継続の試金石になると指摘している(FMT、8月3日)。なお、GE16は2028年2月までに実施される予定だが、政治情勢次第では前倒し実施の観測も浮上している。
(ニサ・モハマド、山口あづ希)
(マレーシア)
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