特許医薬品に対する232条追加関税の賦課開始、米税関がガイダンス発表

(米国)

ニューヨーク発

2026年08月03日

米国税関・国境警備局(CBP)は7月30日、1962年通商拡大法232条に基づく、特許医薬品とその原料に対する追加関税賦課に関するガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。医薬品に対する232条追加関税は、当初の予定どおり、米国東部時間2026年7月31日午前0時1分以降の通関から賦課された。

232条は、特定製品の輸入が米国の国家安全保障に脅威を及ぼすと商務長官が判断した場合に、追加関税などの措置を発動する権限を大統領に認めている。商務省は2025年4月に、232条に基づき、医薬品の輸入が米国の安全保障に及ぼす影響を判断するための調査を開始し、ドナルド・トランプ大統領は2026年4月に、輸入を制限する措置が必要だとする大統領布告を発表した。具体的には、大統領布告の付属書Iに掲げる特許医薬品および関連する医薬品原料の輸入に100%の追加関税を課し(注1)、付属書IIIに記載した企業の製品に対しては7月31日午前0時1分以降、そのほかの企業に対しては9月29日以降の通関に対して追加関税を課すと定めた(2026年4月3日記事参照)。

ただし、日本、EU、韓国、スイス・リヒテンシュタインの特許医薬品に対する追加関税率は15%にするといった例外を設けている(注2)。英国に対する追加関税率は、大統領布告では「10%とし、その後、米国と英国との間で締結される医薬品価格に関する合意に応じてゼロに引き下げる」と定められていたが、CBPは追加関税を課さないとするガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを7月31日に発表した。

また大統領布告では、「商務長官が承認した米国内での工場建設計画を有する企業の製品に対しては、追加関税率を2030年4月1日まで20%とし、同年4月2日以降、100%に引き上げる」と定めたが、CBPによれば、対象となる企業はまだない。

大統領布告では、ジェネリック医薬品は適用対象外と定めており、7月30日のガイダンスでも追加関税は課さないとした。ただし、大統領布告では商務長官に対して、ジェネリック医薬品などの輸入制限措置が必要かどうかを1年以内に大統領に報告するよう指示している。商務長官による報告の内容は明らかにされていないが、トランプ氏は7月21日に、ジェネリック医薬品に対しても、2028年8月から100%、2029年8月から200%の追加関税を課すとの意向をSNSに投稿している。ただし、実際にジェネリック医薬品に追加関税を課す大統領布告などは現時点で発表されていない。

(注1)一般関税率(MFN税率)と232条追加課税率を合計して100%。

(注2)そのほか、大統領布告の付属書IIに記載している米国政府と薬価に関する最恵国待遇(MFN)協定を締結している企業の医薬品などに対しては2029年1月20日まで追加関税を課さない、米国原産の医薬品に対しては232条追加関税を課さない、といった例外がある。

(赤平大寿)

(米国)

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