米主要港、6月の小売業者向け輸入コンテナ量は前月比0.7%減、関税発効や地政学リスクでピーク到来
(米国)
ニューヨーク発
2026年08月14日
全米小売業協会(NRF)と物流コンサルタント会社のハケット・アソシエイツが発表した「グローバル・ポート・トラッカー報告
」(8月7日)によると、6月の米国小売業者向けの主要輸入港(注1)の輸入コンテナ量は、前月比0.7%減、前年同月比13.2%増の223万TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算、添付資料図参照)となった(注2)。前年同月比の伸びは、2025年4月にドナルド・トランプ大統領が相互関税を発表した「リベレーション・デー(解放の日)」の影響で、比較対象である2025年6月の輸入量が大きく落ち込んだ反動によるものとみられる。
例年であれば秋口に迎える米国の輸入ピークだが、小売業者による関税リスク回避により、2026年は夏本番前の5~6月ごろの初夏へ前倒しされる動きがみられた(注3)。さらに、イラン紛争によるサプライチェーンの混乱など地政学的リスクも前倒しを加速させた。
直近の主要港の動向をみても、こうした「在庫調達の前倒し(フロントローディング)」の動きが顕著に現れている。同報告によると、2026年の輸入のピークはすでに5月に到来したとみられる。パンデミックや紛争、急速に変化する米国の関税政策に至るまで、さまざまなサプライチェーンの混乱を経験してきた荷主企業が、リスク管理のノウハウを蓄積し柔軟に対応しているためとされる。
NRFのジョナサン・ゴールド副理事長は「関税が相次ぎ導入されるが、小売業者は柔軟に対応しており、ホリデーシーズン向けの在庫は十分に確保されている」と強調した。
2026年上半期の累計取扱量は1,270万TEUで、前年同期比1.1%増となった。今後の見通しは、7月は221万TEU(前年同月比7.6%減)、8月は222万TEU(4.2%減)、9月は216万TEU(2.8%増)、10月は213万TEU(2.7%増)、11月は203万TEU(0.3%増)、12月は206万TEU(2.5%増)となっている。
(注1)主要輸入港は、米国西海岸のロサンゼルス/ロングビーチ、オークランド、シアトルおよびタコマ、東海岸のニューヨーク/ニュージャージー、バージニア、チャールストン、サバンナ、エバーグレーズ、マイアミおよびジャクソンビル、メキシコ湾岸のヒューストンの各港を指す。
(注2)発表されている貨物量のTEUと前年同月比の数値は端数処理の関係で一致しない場合がある。
(注3)米国では2月に導入された1974年通商法122条に基づく10%の輸入課徴金(2026年2月24日記事参照)が7月24日に期限を迎え、同日には同301条に基づき、日本を含む60カ国・地域からの輸入に対する10~12.5%の追加関税
が発効した(2026年7月24日記事参照)。
(樫葉さくら)
(米国)
ビジネス短信 463371718ff581c1





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